猫と人間だけがアルツハイマーになる わがニャンの認知症と向き合う方法

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   「猫はボケない。だって、寝てばっかりいるから」と思われてきた猫だが、高齢化にともない、認知症になる猫が増えている。

   ワンコと同様に、一晩中鳴いて飼い主を困らせる。最近は、人間と同じくアルツハイマーになることもわかってきた。わがニャンが認知症になったらどう向き合えばよいのだろうか。

  • ニャンコはいつまでも元気で
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「もの凄い大声で『わぁ~うぉわぁ~!』と鳴きます」

   犬の認知症は、夜吠えや徘徊など、わかりやすい行動が伴うのでよく知られているが、「猫はボケない」と思っている人が多いようだ。ところが、人間だけがかかる病気と思われていた、認知症のアルツハイマー病が、高齢猫も人間とまったく同じメカニズムで発症することが、東京大学や麻布大学などの研究でわかり、2015年12月、国際神経病理学専門誌に発表された。

   研究チームが死んだ多くの老猫の脳を解剖してわかった。サルや犬も年を取ると脳の中に老廃物がたまるが、記憶をつかさどる海馬の神経細胞が脱落し、海馬が萎縮してアルツハイマーに進展するのは人間と猫だけだ。猫は8歳くらいから「老廃物」がたまり、14歳頃から神経細胞の「脱落」が始める。

   そんな認知症になったと思われる猫の飼い主の「悲鳴」に近い投稿が、女性向けサイト「発言小町」(2016年6月16日付)に載った(要約抜粋)。

「助けてください。老猫が明け方になるともの凄い大声で『わぁ~うぉわぁぁぁ~!』と鳴きます。声をかけてなでると『にゃぁ~ん♪』と戻ります。やれやれと寝床に就くと、また『うゎおぅ~ん!』。15分ごとに繰り返しです。早い時は3時頃から始まり、慢性的な睡眠不足で疲れが取れません。やせ細った姿で声が枯れるが如く絶叫する老猫を抱きしめ、涙がこぼれました。どうしてそんなに鳴くの?」

   この投稿には同情と共感の声が相次いだ。

「猫ちゃんと寝る場所は同じですか? 寝る所が別で寂しいのかなと。寝る前に少し遊んで疲れさせたらどうでしょうか。うちの10歳の猫も明け方4時頃すごく鳴く時があります。そんな時はベランダに一旦出すと鳴き止みます。近所の公園の鳥たちが鳴き始める時間帯だから、ベランダで数分、獲物を見ているだけで落ち着くのか、その後すぐベッドに戻ってよく眠っています」

「辛くて猫に『もう一緒に死のうか?』と言いました」

「ペットシッターさんに頼んで昼間に遊んでもらっては。とりあえず、一日だけでもペットホテルに預け、ぐっすり寝ましょう。体がもちませんよ」
    「6年前に旅立った22歳のオス。深夜2時から『うおおおおお~ん』が始まり、私も1年半、泣きながら抱っこしていました。今ではそんな事さえいい思い出に。うるさくてもいいから戻ってきて欲しいと、切に思っています」
    「辛くて、『もう一緒に死のうか? ねえ?』とまで猫に言いました。最近は落ち着いて、朝方一回起こされるくらいです。振り返ると、当時仕事が忙しくて心身とも余裕がなかったのも理由かなと。帰ってきたら、『かわいい、かわいい』って話しかけながらたくさんなでてあげる。『こんなの買ってきたよ』『なに見ているの?』とかこまめに話しかける。かまってもらえることで、猫ちゃんの気持ちも落ち着くようです」

   さて、わが家のニャンコが認知症と思われる症状になったらどうしたらよいだろうか。東京都の「高円寺アニマルクリニック」のウェブサイト「突然鳴き出す老猫さん認知症になったの?」を見ると、こう解説している(要約抜粋)。

「英国の研究機関は、11~14歳の飼い猫の28%、15歳を超えると50%以上が、加齢による行動障害を、少なくとも1つは発症していると発表しています。猫の認知症の症状は犬とほぼ同じと考えられます。
動きが鈍くなる・寝てばかりいる・突然大きな声で鳴く・人や物にぶつかる・昼夜が逆転・名前を呼んでも反応しない・排せつの失敗・狭い所に入り込んで出られなくなる・食べ物の好みが変わるなどなど。
症状によっては、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの診断も必要になりますから、安易に認知症と判断しないで、必ず動物病院で診察を受けてください」

「猫にDHAとEPA配合の食事を給与する」

「自分の猫が仮に認知症であっても、悲観することはありません。早い時期から対処すれば、症状の進行を遅らせることができるかもしれません。猫と触れ合うことがとても重要です。人間とのコミュニケーションの少ない猫が発症しやすいといわれます。一緒に遊ぶ・声をかける・やさしくなでるなど、コミュニケーションの時間を十分にとり、適度な刺激を与えてあげましょう」
「また、認知症を示す人の血液中の不飽和脂肪酸の濃度が低いという報告がありますから、猫にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を給与することは、やってみる価値があります」

   DHAとEPAはともに青魚に豊富に含まれている。両方が配合された専用のキャットフードも市販されている。

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