少年期の大麻が成人後に別の薬物依存に
大麻に関しては「中毒性が低い」「タバコよりも健康への害が少ない」といった主張があり、ベルギーやポルトガル、スペインなどのように一定の条件のもとで吸引や栽培を非犯罪化(合法)している国も少なくない。だが2016年3月16日産経新聞電子版で、近畿大薬学部の川畑篤史教授(病態薬理学)は「脳に作用するメカニズムは覚醒剤とほぼ同じ。過剰摂取で幻覚や幻聴の症状も出るし、大麻は恐ろしい薬物だと認識してほしい」と指摘している。
記事では、民間リハビリ施設「香川ダルク」(高松市)の代表・村上亨さんの例を挙げた。16歳で初めて大麻を吸い、やがてヘロインや覚醒剤に次々と手を出したという。
「和歌山ダルク」(和歌山市)は、2015年12月6日付のブログで、ドイツの週刊誌「Stern」の記事をもとにこう説明している。
「大麻が他の薬物に導く入門の薬物であるかどうかについて意見は分かれる。少年期にマリフアナを使うと、成人してから別の種類の依存を促進することがあると疫学調査は示している」
現在51歳の高知被告の場合、大麻に手を染めたのは10代だったと本人自ら話した。成人前の大麻使用が、その後30年にわたる薬物使用への道に突き進む第一歩となってしまった可能性はあるだろう。