大阪・関西万博の交通アクセス不安いっぱい 大阪メトロ運転見合わせで「帰宅困難」、バスの本数も不十分

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   大阪・関西万博が2025年4月13日、開業した。この万博の開催にあたって、交通網のことは課題になり続けていた。

   万博のために、大阪メトロ中央線をコスモスクエアから夢洲まで延伸し、この地下鉄をメインにして万博への輸送を確保しようとした。

   だが当然ながらこれだけでは足りない。バスでのアクセスも必要になった。JRゆめ咲線(桜島線)の桜島駅からは、シャトルバスが運行される。「KANSAI MaaS」のアプリを使用して予約、事前決済した人を8~10時台には優先して乗車させる。バスはおよそ5分間隔で運行となっている。桜島駅までは、新大阪から30分~1時間に1本のペースで快速「エキスポライナー」が設定されている。ほかにも大阪環状線とJRゆめ咲線を利用して桜島駅まで向かうことが可能だ。

   大阪市内のターミナル駅などからバスでアクセスもできる。しかしこのバス運転手の募集に苦労しているという報道はたびたびある。バス事業者によっては、ほかの路線の本数を減らして万博アクセスバスの運行に充てる事態も発生している。またバス運転手の待遇も話題になった。

  • 万博会場への鉄道の玄関口・夢洲駅
    万博会場への鉄道の玄関口・夢洲駅
  • バスが発着する夢洲第1交通ターミナル(写真:田中庸介/アフロ)
    バスが発着する夢洲第1交通ターミナル(写真:田中庸介/アフロ)
  • 大阪メトロ中央線は6両編成
    大阪メトロ中央線は6両編成
万博会場への鉄道の玄関口・夢洲駅
  • 万博会場への鉄道の玄関口・夢洲駅
  • バスが発着する夢洲第1交通ターミナル(写真:田中庸介/アフロ)
  • 大阪メトロ中央線は6両編成

6両編成の地下鉄、そもそも輸送力が弱い

   大阪万博の来場者数は、関係者も含めてすでに100万人に達している。開始日は14万人を超えて帰宅時に大混乱が発生した。その後は6万人から11万人の間を行き来している。

   甲子園球場や東京ドームの入場者数より多い人数が、毎日当たり前にやってきているという状態だ。

   甲子園球場は阪神戦や高校野球で輸送対応の実績があり、東京ドームは近くにJRや地下鉄が多く走っているため交通の面には恵まれている。しかし大阪メトロ中央線は、ふだんの通勤ラッシュ輸送には実績があるものの、万博ほどのイベント輸送は未知の世界である。

   大阪メトロ中央線の輸送力は、決して高いわけではない。万博期間中は最短運転間隔を2分30秒にし、平日ダイヤと土休日ダイヤを統一するものの、使用される400系車両が18メートル車体の6両編成であり、東京メトロ丸ノ内線とほぼ同様の人数しか乗車させられない。大阪でもっとも輸送力がある地下鉄は大阪メトロ御堂筋線で、19メートル近い車両を10両連ねている。

   そのあたりを検討すると、ちょっと万博に人が押し寄せればたちまちパンクしてしまう程度の輸送力でしかなく、バスももっと本数を増やさないと複数のルートでの安定した輸送が確保できないという問題がある。交通アクセスが、脆弱なのだ。しかも、甲子園球場よりも経験がなく、東京ドームほど複数あるわけでもない。

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