トランプ関税で日本企業は大きなダメージを受けそうだが、それでなくても経営が苦しい業界が5つある。信用調査会社「帝国データバンク」は2025年2月に2024年版「全国企業『倒産リスク』分析調査」を発表、それによると建設業、飲食店、飲食料品小売業、運輸業、製造業が厳しいという。詳しく見てみよう。
人材不足、物価高...経営環境の好転望めず
建設業は資材高と人件費上昇で採算が低下、人手不足で受注したくても請け負うことができず、工期も延びて資金繰りが苦しくなっている。
飲食店も人手不足によるアルバイト・パート代のアップと食材料値上がり、さらにコロナ禍の時のゼロゼロ融資(無利子・無担保融資)の返済に追われている。2024年の飲食店倒産件数は過去最多だった。
物価高で消費者の買い控えや仕入れ価格の上昇が広がり、直撃を受けているのが飲食料品小売業。価格転嫁できず、大手スーパーでも赤字が相次いでいる。
運輸業は運転手の人件費が大幅に上がり、それでも必要な人員を確保できず、注文はあるのに事業を縮小する企業が少なくない。ガソリン代など燃料コストも上がっていて、倒産・破産だけでなく、廃業や会社解散も増えている。
製造業では機械、鉄鋼・非鉄・金属製造は円安による輸入資材の値上がりが大きい。これらの業界は今後も経営環境の好転は望めず、帝国データバンクは「あきらめ倒産」「あきらめ廃業」が広がりそうだと予想している。