「日本のガソリン税は安い。暫定税率は上げるべきだ」――巨額の財政赤字そっちのけで、 減税だ、いや給付金だと参院選向けにばらまき競争をやっている与野党に、ザンブリと冷や水をぶっかけたのは東京大の斎藤幸平准教授だ。2025年4月24日の報道番組「news23」 (TBS系)にドイツからリモート出演して、目先のことばかりの議論でいいのかと警告した。
ガソリンをガンガン使うことに援助する?
政府は5月22日から段階的にガソリン価格を1リットルあたり10円引き下げることを決めたが、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党は「たった10円ですか」と揶揄し、ガソリン税に上乗せされている25.1円の暫定税率を廃止すべきだと主張している。斎藤准教授は「こういうことを言うと、炎上するんであれなんですけど」と断りながら、永田町の「減税ポピュリズム」をこう批判する。
「ガソリン税に対する国際比較があって、それを見ても、日本ってかなり安いんですね。いまドイツに住んでいるんですけれど、リッターあたり250円くらいするので、日本は安いです。気候変動の時代に、税金を安くして、ガソリンをガンガン使うことを援助するような政策をやるべきかというと、むしろ暫定税率を炭素税みたいな恒久的なものにして、上げるぐらいの議論をすべきじゃないかと思いましたね」
たしかに、ガソリンに対する税負担率は、日本42.6%、アメリカ52.4%、フランス53.0%、ドイツ53.9%だ。