日本の若者は「過剰競争で傷ついている」 死去したローマ教皇が東京ドームで訴えたこと

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   2025年4月21日に死去したローマ・カトリック教会のトップ、フランシスコ教皇は19年11月に日本を訪問している。教皇の訪日は1981年2月の故ヨハネ・パウロ2世以来、約38年ぶり2回目だった。

   フランシスコ教皇にとって最初で最後になった訪日では、被爆地の長崎と広島で主に核廃絶を訴えた。その後、東京で行ったミサで、日本の格差や貧困問題を念頭に、若者が置かれた困難な環境にも言及した。

  • 大歓声で迎えられるフランシスコ教皇。2019年には東京ドームでミサを行った
    大歓声で迎えられるフランシスコ教皇。2019年には東京ドームでミサを行った
  • 説教では若者が置かれた困難な環境にも言及した
    説教では若者が置かれた困難な環境にも言及した
  • 「パパモービレ」と呼ばれる車両に乗って入場した
    「パパモービレ」と呼ばれる車両に乗って入場した
  • ミサには5万人(主催者発表)が参列した
    ミサには5万人(主催者発表)が参列した
大歓声で迎えられるフランシスコ教皇。2019年には東京ドームでミサを行った
  • 大歓声で迎えられるフランシスコ教皇。2019年には東京ドームでミサを行った
  • 説教では若者が置かれた困難な環境にも言及した
  • 「パパモービレ」と呼ばれる車両に乗って入場した
  • ミサには5万人(主催者発表)が参列した

ザビエルと同じイエズス会出身、青年期は日本での布教を志願

   教皇は、日本にキリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエルと同じイエズス会出身。青年期には日本での布教を志願するほどだったが、健康上の問題で実現しなかった。

   石破茂首相が出した談話では、教皇と日本の関係について

「初のイエズス会出身のローマ教皇として、フランシスコ・ザビエルのように日本での布教活動を長らく希望されていました」

と触れた上で、19年の訪日を

「広島及び長崎を訪問し、平和への力強いメッセージを発信してくださりました」

とたたえた。

   教皇は広島、長崎に続いて東京を訪問。東京ドーム(東京都文京区)でミサを行い、5万人(主催者発表)が参列した。

   説教では、ドームのミサに先立って参加した東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区)での「青年との集い」での出来事に言及。「日本は経済的には高度に発展した社会」だとする一方で、「今朝の若者たちとの集いの中で気づかされたこと」として、次のように現状を指摘した。

「社会的に孤立している人が決して少なくなく、いのちの意味が分からず、自分の存在の意味を見いだせず、社会からはみ出していると感じている。家庭、学校、共同体は、一人ひとりが支えを見いだし、また、他者を支える場であるべきなのに、利益と効率を追求する過剰な競争意識によって、ますます傷ついている。多くの人が、当惑し不安を感じている。過剰な要求や、平和と安定を奪う数々の不安によって打ちのめされている」
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