新潟県出雲崎町内の博物館「出雲崎レトロミュージアム」が、入館者に対して「展示品を破損させたら弁済願います」などとする同意書へのサインを求めたところ、入館せずに帰る家族連れが多かったとXで明かし、話題になっている。
この博物館では、昭和時代の街並みを再現しており、入館者は、タイムスリップしたような体験を楽しめる。
展示品壊せば、「警察に被害届」
2023年12月にオープンした後は、中野賢一館長が30年以上かけて集めた懐かしいおもちゃなど数千点を展示していた。ところが、子どもが展示品を壊したり、持ち帰ったりする被害が相次ぎ、24年12月には、注意された親から「子供が触れられるようにしている方が悪い」などと反論されることがあった。
中野館長は、心が折れたとして、翌25年2月3日に一時閉館し、4月4日からは、おもちゃから展示替えして、大人の博物館としてリニューアルオープンさせた。
子どもも入館できるものの、中学生以下については原則、親が入館同意書にサインすることを求めている。
そこでは、射的やガチャガチャなど以外では展示品に手を触れず、「常に子供から目を離さない事を約束いたしますか?」と同意を求めた。そして、「万が一展示品を触っていたり、破損した場合は即時退館、時価総額での請求となります」とし、館内には防犯カメラが12台設置されており、展示品を壊したことを自己申告しないときは「警察に被害届を出します」としている。
この同意書について、出雲崎レトロミュージアムは20日、「サインするのが嫌で 入館せずに帰る家族連れが多い」などとXで報告した。
この投稿は大きな反響を呼び、様々な意見が寄せられている。「他人のを壊したら弁償するのは当たり前」「最低限の一定の"ふるい"は必要」「魔除けが効いてると思いましょう」などと同意書の要請に理解を示す声が多かった。
同意書導入について、中野館長は21日、J-CASTニュースの取材に対し、以前よりも家族連れが7~8割ぐらい減り、高齢者の数が多くなったと状況を説明した。