ゲーム音楽作曲家の杉森雅和さんが2025年4月20日、自身の代表作「逆転裁判」の思わぬ活用法に反応した。
「推論力ってやつが人間の強みなのか」
杉森さんは、「逆転裁判」「ビューティフルジョー」などのゲームミュージックを手がけた作曲家だ。99年から03年までカプコンに所属しており、現在はMUSE SOUNDの代表取締役をつとめている。
生成型AI(人工知能)の進化が目覚ましい昨今、ネット上で注目を集めているのが「AIの能力をゲームで測る」という試みだ。Googleの「Gemini」、OpenAIの「o1-2024-12-17」、Anthropicの「Claude」など複数の生成AIに人気法廷バトルアドベンチャー「逆転裁判」をプレーさせ、その性能を評価するという。
「逆転裁判」は、プレイヤーが弁護士としてキャラクターと会話し、現場を調査して証拠を集め、無実の被告人を救うゲームだ。この特徴を活かし、AIの推論力や対話力を測ろうというわけだ。
「AIの真の推論能力を測るには『逆転裁判』をプレイさせればいいという素晴らしい発想」としてXに投稿された動画は約5000回リポスト(拡散)され、1.3万を超える「いいね」が寄せられている。
杉森さんはこの投稿を引用し、「何と言うか、25年前に死ぬ思いしながら作ったゲームがこういう使い方されるようになるとは思わなかったよw しかも海外でw」と驚きをあらわにした。
「にしても1章でAIが詰まるの面白い。特に1章の難易度はめっちゃ巧さん(編注:企画・脚本などを担当した巧舟さん)と三上さん(編注:製作総指揮を務めた三上真司さん)が拘られた部分」と明かし、「人間には簡単なはずなんよw その推論力ってやつが人間の強みなのか」としみじみとつづっている。