「SNSの心ない誹謗中傷は決して許されない。それを伝えていくのが大事」――。兵庫県の斎藤元彦知事は、2025年4月16日の定例記者会見で、百条委員会の委員を務めた丸尾牧県議に誹謗中傷が相次ぎ、警察が被害届を受理したことに関連してこう述べた。
兵庫県内では、1月に亡くなった竹内英明元県議を知事失職の黒幕と名指しする文書など、議員への誹謗中傷が続いている。記者から知事がなぜ誤った内容を否定しないのか、問われると「一つひとつのSNSの状況について、コメントすることはしていないが、SNSで事実ではないことを発信するべきではない」と一般論に述べるにとどまった。
百条委委員長務めた奥谷謙一県議も被害に
斎藤知事は、誹謗中傷が収まらない理由を問われ、「民主主義として、いろんな考え方がある。それに対する表現も多様にある。その中で、心無い誹謗中傷は、人を傷つけたり、ときには人の命を奪ってしまう」とコメント。その上で、「メールやSNSを利用される皆さん、引き続き使い方を含めて、注意をしていただきたい。決して誹謗中傷は許されないことだとしっかり伝えていくのが大事」と述べた。
また、兵庫県の取り組みとして、予算を取ったキャンペーンの実施や、弁護士会と連携した相談体制を強化すると説明。「兵庫県として、できることはしっかりやっていく」と語った。
報道によると、丸尾県議のメールアドレス宛には3月31日から4月8日までの9日間に誹謗中傷のメールが約1万2000件以上届き、 件名には「お前もとっとと自殺しろよゴミ野郎」「お前も県民局長みたいに自殺しろよ」と書かれ、メッセージ欄には「早く早く」と記されていた。
また、百条委員会の委員長を務めた奥谷謙一県議のメールアドレス宛にも誹謗中傷のメールが1万件以上届いているという。