移転先の新しい店舗で営業を始めるはずだった2025年4月13日、店主の自宅にある車が落書きされていた。「とにかく今日はオープン初日だから」と仕事を優先し、店に移動すると、店内の券売機も壊されていた――。何者かによる被害をXで訴えたのは、東京・清瀬市にある二郎系ラーメン店の店主だ。
店主は翌14日、J-CASTニュースの取材に応じた。「犯人が早く捕まってほしい。今も安心感がないし不安です。お客さんからは励ましの言葉をいただき、何とか頑張って復活したいと思っています」と心境を語った。一時的に閉店しており、再開のめどは立っていない。
移転先のオープン初日に被害、一時閉店
被害に遭ったのは、清瀬市の二郎系ラーメン店「めん屋 五坊」だ。旧店舗の営業は25年3月末に終了し、新店舗の営業を4月13日に始める予定だった。だが、その初日朝、先述したような被害に遭ったとXに投稿。その後、閉店するとも報告した。
投稿では、車のボディが赤スプレーで落書きされている様子を紹介。15日16時時点で8万8000件以上のいいね!が集まるなど注目を集めている。「これは酷い...」などと悪質な行為を批判する声や、「がんばれ」などと店主を応援する声が寄せられた。
Xの投稿や店主への取材によると、店主が最初の被害に気づいたのは13日の朝のことだった。自宅に駐車していた車が落書きされていたのだ。しかし、この日は新店舗をオープンする初日。仕事を優先し、そのまま店に向かった。
開店予定の11時が迫るなか、店主は30分遅らせると告知。客を迎える準備を進め、開店直前、券売機の電源をつけようとしたが鍵が差し込めなかった。券売機も壊れていることに気づいた。警察の現場検証の結果、接着剤のようなものが注入されていたという。
「雨の中、もう15人ほどが並んでいました。券売機も使えなくなって、頭も整理できていなかったんですけど、とにかく現金で対応しなきゃと思って開店しました。でも徐々に、店に不法侵入された恐怖を実感して、途中でやむなく閉店しました」
いまだ犯人特定できず、DMで情報提供求める
約15人にはラーメンを提供したが、途中で断念して閉店した。その後、警察にも連絡。両替のために用意していた10万円分の現金も盗まれていたことに気づいたのは、警察とやり取りしていたタイミングだった。
オープン初日だったため、新しい店舗に防犯カメラを設置していなかった。自宅の車のドライブレコーダーも、何らかの物にぶつかったときなどは起動するが、スプレーでは起動しなかったという。そのため、犯人は映像に映っていなかった。
ラーメンで使った具材も危ないかもしれない。こう思った店主は、店にあった食材を全て廃棄した。14日の投稿では、「並んでいただいてた方15名くらいの方はもしご体調等の変化ございましたら、お店までお申し付け下さい」と呼びかけた。
14日の取材の時点では、まだ犯人は特定できていないと取材に話す。「店に侵入したのは13日0時~9時ぐらいだと思います。犯人を目撃した人がいれば、『めん屋 五坊』のXアカウント(@menyagobou)のDMに情報をください」としている。