大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のイラストを、液体の中に液体で、ロボットが描く──。万博会場にサントリーホールディングス(HD)が出店したカフェテリア「SUNTORY PARK CAFE」のドリンクメニューがXで驚きを集めている。一体どのような技術が用いられているのか。同社に詳しく聞いた。
「水中に直接絵を描けちゃうんだ...」
話題になっているのは、同店が税込み900円で販売しているドリンク「ミャクミャクレモネード」だ。
提供時の動画を、Xユーザー・たかちょ(@takacho_01)さんが2025年4月13日に投稿した。青く照らされたグラス入りの飲み物があり、ロボットアームが注射器さながらの細いノズルを浅く刺し、水中で赤い線を描いてミャクミャクのイラストを完成させている。
たかちょさんは、「大阪万博のSUNTORY PARK CAFEでミャクミャクレモネード頼んだら、その場でミャクミャク様を描いてくれる」「まさかの表面から1センチ沈んだとこに描かれてるんですよ......。まじすげぇんですよ」などと感動を伝えていた。
動画は4万9000件超の「いいね」を集め、Xでは「なにこれ楽しい!」「水中に直接絵を描けちゃうんだ...」「これすごい!液体はトロトロしているのかな?」「どういう技術なんだろ...」などと関心を集めている。
14日にJ-CASTニュースの取材に応じたサントリーHD広報部によると、使用しているのは、飲料中に文字やイラスト、3Dパターンを描画できる3Dフードプリンター「Lidris(リドリス)」。その仕組みを、下記のように説明した。
「この『飲料の中にほかの液体で線を描き維持させる技術』は、物理学を応用したもので、サントリーホールディングスの研究者が世界で初めて開発しました。"キャンバス"となる飲料と"インク"となる飲料との『比重』が同じであるため、インクとなる飲料が沈殿や拡散、混合せずにそこに留まっています」
物理学的には、液体同士の比重が異なる場合、浮いたり、沈んだり、混ざったりする現象が起こるとも補足した。