デザイン性と安全性は両立可能
SNSではこれまでにも、バリアフリーの観点から、一部の階段に懸念を示す声がたびたび上がる。それでも、なぜ足を踏み外すリスクのある階段が設計されてしまうのだろうか。柳原氏は、そのようなデザインにした意図は設計者に聞かないと分からないとしつつも、次のような見解を示した。
「建築家やデザイナーの方々が、色の統一性や美しさを重視して設計した場合、見えにくい方々がわかりやすい赤色や黄色などの識別しやすい彩度の高い色より、落ち着いたあまり目立たない色を使う傾向にあります。分かりやすさや見やすさと、デザイン性がコンフリクトを起こす事例はたくさんあります」
例えば、点字ブロックを黄色ではなく灰色にする事例もあるというが、こうしたデザイン性を優先することに対し、柳原氏は「やはり安全性が一番重要です。きちんと分かりやすくすることが求められます」と強調する。
最後に、デザイン性と安全性は両立可能だとも話す。バリアフリーの観点から色のコントラストや照明を使いながらも、「こうした色をうまく活用しながらデザインしている事例も数多くあるため、これらを両立することはできます」と説明した。