「備蓄米」どんな種類?味はどうなの 江藤農水相「価格落ち着いて目詰まり解消」を期待するが

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   政府は大慌てでいざという時に備えて保存していたコメの放出に踏み切った。2025年4月1日、江藤拓・農林水産大臣は、2回目の備蓄米放出の結果を発表したが、予定していた7万トンすべて流通業者に売り渡すことができたことを強調した。そのコメは、どこでとれたコメなのか。 その味は?

  • 政府は2回目の備蓄米放出に踏み切った
    政府は2回目の備蓄米放出に踏み切った
  • 政府は2回目の備蓄米放出に踏み切った

備蓄米の量は100万トンと決まっている

   2回目の放出は計35品種。農水省のウェブサイトでその一覧表を公表しているが、高級ブランド米は少ない。日本を代表する銘柄である新潟県のコシヒカリや各県が力を入れる銘柄は限定的だ。

   秋田、宮城、山形、福島など東北のコメが多い。今回の入札(2024年産米)で多かった銘柄は、天のつぶ(福島県産)が9337トン、はえぬき(山形県産)7395トン、里山のつぶ(福島県産)3945トンとなっている。 1回目の14万トンの売り出しも東北産が多かった。一覧表で目立った銘柄は、まっしぐら(青森県産)や、こしいぶき(新潟県産)などだった。

   農水省の担当者によると、備蓄米を買い入れるときは競争入札にかける。その条件として、個別の銘柄は示していない。水分の割合など一定の品質を維持した主食用のコメについて、もっとも安い価格を提示した業者から買い上げる。農家や流通業者は市場で高く売れるコメは市場で売る。どうしても備蓄米にブランド米が少なくなる。

   備蓄米の量は100万トンと決まっている。2024年産は計680万トンなので、とりあえず2か月近く、日本人の胃袋をまかなえる計算だ。

「食味的にも、香り的にも」

   味はどうなのか。

   今回、放出されたのは、2024年(令和6年)産を中心に、価格の引き下げを目的に2023年(令和5年)産の古米も入れた。備蓄米の100万トンは毎年20万トンずつ買い足し、5年が過ぎたコメは家畜用の飼料用米として売却される仕組みだ。

   江藤拓・農林水産大臣は、4月の第3週にはスーパーなどの小売店に並ぶことも付け加え、「これにより価格は落ち着いて、目詰まりが解消されることを期待している」と語った。

   江藤大臣は売り出しを控えた2月14日の会見で放出米の味について「食味的にも、香り的にも、十分な品質を保っている」と自信を見せた。2023年産米も含め、わざと冷ましておにぎりにして省内で食べたが、「どれが6年産なのか、5年産なのか区別がつきませんでした。私も局長も課長、誰も区別がつかなった」

   消費者の評判はどう出るか。

(経済ジャーナリスト 加藤裕則)

姉妹サイト