トランプ大統領から「日本のコメ関税は700%」と言うけれど、農林水産物の輸入先トップは米国という事実

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778%の試算が今も独り歩きしている

   今回、トランプ大統領は日本のコメの関税について「700%」と言い放ち、江藤農水相は「理解不能だ」と発言したが、トランプ大統領の言う「700%」はこの341円のことを指すと見られる。農水省によると、過去にこの341円の関税について、コメのある一つの価格を参考に778%と試算したことがあったという。トランプ大統領がこの数字を丸めて出してきたのではないかという推測だ。この担当者は「海外のコメの価格も国によって様々で、品種やその年によっても大きく違う」と説明する。

   また、農水省の関係者は「米国の意図がわからない」と解説する。日本はすでに米国から年間2兆円規模(2023年は2兆1,225億円)の農林水産物を輸入している。小麦や大豆、牛肉などで、米 国は輸入相手国としては、中国やオーストラリアよりも多く、トップだ。「これ以上、農産物で日本に何をしろというのか。ほかの目的があるのか見極める必要がある」と話す。

   9日(米国時間)になってトランプ大統領は突如、上乗せ関税を90日間、停止した。これからもトランプ関税はますます世界を翻弄するだろう。その中で日本のコメ政策が大きな焦点になってきた。これまで市場を開放せずに最小限の輸入にとどめてきたが、2024年から続くコメ不足ともあいまって農政が揺れに揺れている。日本の農業は突然、大きな岐路に立たされた。

(経済ジャーナリスト 加藤裕則)

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