2025年シーズンに入り、開幕2試合で計18得点と打線が爆発した巨人だが、その後は8試合で計20得点。1試合平均2.5得点と打線がつながらない。その中で最も心配な選手が、プロ19年目の坂本勇人だ。
「野球人生の岐路を迎えていると言ってよい」
開幕から7試合出場で19打数1安打、打率.053、0本塁打、2打点。きっちり捉えた打球が少なく、打撃内容が悪いことが気がかりだ。
三塁のスタメンは中山礼都と併用される形となり、8日のDeNA戦(横浜)はベンチスタート。守備から途中出場したが、9回の打席で二ゴロに倒れると、同点で迎えた延長11回2死一、二塁の好機もウィックの154キロ直球でボテボテの投ゴロに倒れた。
「直球に差し込まれ、変化球に泳がされる。打撃の形が完全に崩れていて、状態が良くなる兆しが見られない。昨年も打撃不振の時期が長かったですし、野球人生の岐路を迎えていると言ってよいでしょう」(スポーツ紙デスク)
長年守っていた遊撃から本格的に三塁にコンバートされた昨季は109試合出場で打率.238、7本塁打、34打点。レギュラーに定着した08年以降で自己ワーストの数字だった。
三塁の守備では軽快な動きと球際の強さを見せゴールデングラブ賞を受賞したが、打撃で結果を出さないと試合に出続けるのは厳しい。
坂本から定位置奪取をめざす中山も物足りない
ただ、坂本から定位置奪取を目指す中山礼都も物足りない。
8日の試合では2回に左前打で出塁したが、その後の2度の好機で三振に倒れた。中山はファームで格の違いを見せているが、1軍でなかなか結果が出せない。
坂本の復調を待つか、中山が殻を破ることを信じて我慢強く起用し続けるか。阿部慎之助監督は頭を悩ませているだろう。(中町顕吾)