中居氏&フジ問題に通底する「ホモソーシャル」の根深さ 「男同士じゃつまらんね」発言に識者が注目

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「フジテレビだけの問題ではない」

   ホモソーシャルな構造には「力関係の格差」がある。これは大物男性タレントと女性アナウンサー、フジテレビの意思決定層や管理職に年配の男性が多い点など、ジェンダーと立場の差がある点に現れている。こうした点は報告書でも同様の記述がある。

   さらに、男性同士の関係は公的(仕事)なもので、女性との関係は恋愛であり私的(プライベート)なものという認識も生まれるという。「プライベートな男女間のトラブル」だと港前社長ら幹部が即断している。女性の被害を軽視した一因にもホモソーシャルな構造がある。

   中居氏とフジテレビをめぐる一連の問題以外でも「ホモソーシャルな構造が性暴力につながるケースは多い」と、松岡さんは述べる。例えば、松本人志氏の性加害疑惑を報じた週刊文春の記事では、後輩芸人が若い女性を松本氏に「献上」しているとの内容があった。芸能界の問題のほかにも、2022年の滋賀医大生・性暴力事件でもみられたという。

「フジテレビだけではなく、メディア業界やその他の業界でもホモソーシャルな構造があると思います。男性が経営陣や管理職を占めているという企業は多く、同質的な意思決定が行われている。男同士の関係を重視し、女性を性的にモノ化し利用する環境は今なお根強く残っていて、フジテレビだけの問題ではないと思いました」

   こうした構造をどう変えていけばいいのか。第三者委が「人材の多様性の確保」を提言するように、役員や上級管理職の女性比率を高めることが重要だと松岡さんも指摘する。「個人の認識を変えることは重要だが時間がかかり限界もある。仕組み自体を変えていくことで一人ひとりも変わっていくと思います」と話している。

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