2025年4月6日放送の情報番組「Mr.サンデー」(フジテレビ系)で、フジテレビと中居正広氏をめぐる問題を取り上げた。その際、司会の宮根誠司さんが、アナウンサー全員が接待要員として扱われているわけではなく、「みんなプロフェッショナルとして頑張っていらっしゃる」などと発言し、元フジテレビアナウンサーの長野智子さんがそれに同意したことについて、SNSで批判の声が寄せられている。
こうした批判が寄せられたことに、長野さんはXで、「私の言葉足らずのために本意を伝えることができず反省しています」とコメントした。
「そういうことにイエスノーもきちんと言えて毅然としてやってる」
フジテレビと中居氏の問題をめぐっては、3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書で、中居氏と被害女性Aさんとの問題は「『業務の延長線上』における性暴力」だったと認定した。「Mr.サンデー」では、この問題について、識者を招いての討論が行われた。
その中で、宮根さんは、これまで多くのフジテレビアナウンサーと仕事をする中で、熱心な仕事ぶりを見てきたと言い、「アナウンス部の人たち全部が、接待要員だとか上納されるとか、そういう見方は、視聴者の方には、ぜひここは違うんだというのをね、僕は思っていただきたくて。みんなプロフェッショナルとして頑張っていらっしゃる」とコメント。続けて、長野さんに「そう思いません?」と振ると、長野さんも「本当にそう思います」と同意した。
長野さんは「アナウンサー全員が脆弱で、仕方なく上納みたいになっていますけど、ほとんどの人たちは真面目に、本当に真摯に、そういうことにイエスノーもきちんと言えて毅然としてやってるわけですよね」と自身の考えを明かした。
宮根さんが再び「今回の(被害女性の)Aさんは断れなかった状況に追い込まれたというんですけど、アナウンサーの方たちが、すべてがそういうことをやっているというのは、違うな、と......」と言うと、識者として出演していた東京大学多様性包摂共創センター准教授・中野円佳さんが、「Aさんが断れなかったのを責めているように聞こえる」と指摘した。
指摘を受け宮根さんは、「そういう意味じゃない」と否定。「アナウンサーの方たちがすべて、アナウンスメントの技術だとか、番組のことよりも、タレントさんと仲良くなることを第一に考えて、フジテレビに入って、ということじゃなくて、みなさん誠実に仕事をしていらっしゃいますよ。たまたまAさんは断れない状況に追い込まれたんですよということを言いたい」と説明した。
長野智子さんは釈明「悪いのは言うまでもなく、加害者」
この宮根さんや長野さんの発言にXでは、「すげー論点のすり替え。仕事場に性接待があることが問題なのに、断れるとか断れないとか話してる」「フジテレビのほとんどのアナウンサーは真面目だが(Aさんは違う)としか解釈できんわ」「上納されるアナウンサーが脆弱だからみたいな言い方すな」「まるで仕事に対して不誠実だった人だけが性被害に遭ったとでも言いたいかのよう」といった声が寄せられ、被害女性Aさんを責めるような2人の発言は「二次加害ではないか」との声も相次いだ。
こうした声を受け、長野さんは8日にXで、「私の言葉足らずのために本意を伝えることができず反省しています」とコメントした。
「ほとんどのアナウンサーは、日々真摯に実直に仕事に向き合い、yes,noを判断して行動をしています。被害者Aさんもその一人で、むしろ、仕事に真摯であるからこそ、編成幹部B氏の繋いだ業務の延長線上という特殊事案において、『中居氏を怒らせてはいけない』という思いで行動し、結果的に事件に巻き込まれてしまいました。悪いのは言うまでもなく、加害者です」
としたうえで、自身の発言の意図について、
「一方で、第三者委員会の報告書において、『アナウンサーが脆弱な立場にあったのではないか』という指摘があり、その印象が伝わることで、今も多くの女性アナウンサーに対して『上納されただろう』など中傷が浴びせられて、苦しい思いをしていることを聞いていました。私はそれは違うということを伝えたかったのですが、言葉が足りませんでした」
中野氏から指摘された際に、自身の発言について「うまく伝えられなかった」と思ったものの、時間がなく訂正できなかったという。「そう聞こえなかったという方はいると思うし、不快な思いをされた方にお詫びします」として、謝罪した。