開幕直前でも「どこの国だかわからない建築物」がある
一方、建設中などの理由で、各国が自前で建設する「タイプA」の海外パビリオン42館の中でテストランに参加するのは半数以下。オープンが1週間前となる状況で、建設が続いているパビリオンも少なくなく、中には「どこの国かまだ分からないくらいの建築物」(テストラン参加者)もあったという。
そのためか、海外パビリオンが立ち並ぶエリアの取材は認められていない。産経新聞の報道によると、参加国などから「テストランはメディアへの公開が目的ではない」として取材を受け入れないよう要請があったという。
また、4日夜にはブラジルパビリオンで天井材と配線が燃える火災が発生している。
参加者に話を聞くと、「前回の大阪万博(1970年)も、開幕のときにはすべて完成しなかった。仕方ないんじゃないですか」「あと1週間しかないので、できるのを待つしかない」との声が聞かれる。
テストランの3日間は計約9万人が参加する。そのうち、約4万人は大阪府民・市民を対象とした無料の招待枠だ。府民約35万人から応募があり、吉村洋文・大阪府知事は当時、テストランの応募の倍率が9倍近くとなったことに対して「びっくりしています。こんなに来るんかなと。多くの人が万博に期待して楽しみにしていることの結果だと思う」と語っていた。
時事通信の2025年3月の世論調査では、万博に行きたいと「思う」は22.0%にとどまっており、今回のテストランで万博の機運醸成につながるかが注目される。