低反発の金属バットが本格的に導入されて、2年目となった2025年春のセンバツ。サク越えの本塁打は計4本だったが、大会総得点の285点は32校以上出場が定着した1983年以降で5番目に高い数字だった。
「木製バットをうまく使いこなしていた打者が印象的」
大会を視察したスコアラーは「打球の変化」を口にする。
「従来の金属バットより飛距離が出なくなり、外野の頭を越える軌道よりも、ライナーで内外野の間を射抜くことに重点を置いた高校が増えたように感じます。木製バットを使う打者がいましたが、今後増えていくんじゃないですかね。低反発の金属バットは木製バットに比べて飛距離は出ますが、バットコントロールを考えると木の方がしなる感覚があるので扱いやすい。実際に今大会で木製バットをうまく使いこなしていた打者が印象的でした」
たとえば、花巻東(岩手)は二松学舎大付(東京)と2回戦で対戦した際、3回1死二、三塁から4番・古城大翔の左犠飛で1点を先制。続く5番・赤間史弥も左前適時打で追加点を奪った。5回は2死一、二塁から6番・高橋蓮太郎が中前適時打を放ったが、3人の打者はいずれも木製バットを使っていた。
智弁和歌山の「重さ1200グラム」重量バット
準優勝に輝いた智弁和歌山は、「つなぎの打者」が木製バットを使用したことで話題に。下位打線を打つ大谷魁亜、黒川梨大郎は重さが1200グラムの重量バットを使用。なんと金属バットより300グラム近く重い。
だが、速球の速さを利用して重いバットでコンパクトにミートすれば、鋭いライナーの打球が飛んでいく。2人がチャンスメークし、上位につなぐのが得点パターンになっていた。
甲子園に出場した球児は「低反発の金属バットを使っていましたが、木製バットの方が使いやすい。今後は試合で使おうと思っています」と話していた。木製バットが高校野球を席巻する日は遠くないかもしれない。(中町顕吾)