「高濃度うどん排水処理施設」という迫力ある名前の施設がXで話題になっている。実は「うどんブーム」がもたらした環境問題に対応すべく、香川県で誕生したのだという。開発元に詳しく取材した。
水路汚染、悪臭の発生などが問題になっていた
Xでは2025年3月下旬に「高濃度うどん排水処理施設」と書かれた白い円筒型の施設の写真が広く拡散され、「名前のインパクトすごい」「冗談だと思ったらホントにある設備でびっくり」「初めて見ました」「どんな施設?」などと珍光景として驚かれた。なかには「あれローカルだったの!?」「チェーン系のうどん屋には大体あるよ」と既に知っているような反響も。
開発元は、排水処理設備事業を手がけるCNT(香川県さぬき市)だ。同社の広報担当は4月4日、J-CASTニュースの取材に、施設は香川県をはじめ大阪などにも多数設置していると答えた。導入の背景には2000年ごろからの「うどんブーム」があると説明。県外から100万人ほどの観光客が訪れるようになったと振り返る。
曰く、うどん店の排水はデン粉などの汚れの濃度が高く、香川県は水路が少ないため水路汚染、悪臭の発生といった多くの環境問題が発生するように。しかし、うどん店の排水は一般の浄化槽では構造及び機能性能上、処理が困難だったという。そうした課題を解決するのが「高濃度うどん排水処理施設」だ。下記のように経緯を明かした。
「そこで香川県がこれに対応すべく、価格の安いうどん排水処理装置の開発支援事業を平成16年(2004年)に実施し、弊社が応募したところ、採択され半年間の香川県の実証実験後、このような装置が開発されました」
「衛生的な環境に改善できるようになりました」
施設の構造は、自然の浄化力を用いるものだ。「フロック(塊)状の微生物が汚れを分解する活性汚泥法に、自然浄化作用を最大限活用するバイオリアクターを組み合わせた生物処理で排水処理をおこなっております」と説明する。
導入した結果は、「浄化槽や水路からの悪臭の発生が軽減され、衛生的な環境に改善できるようになりました」。同社では施設の設計や製造だけでなく、トータルプランナーとして、設置後のメンテナンスにも携わっていて、こんな苦労も。
「大型連休等は県外から名物うどんを求めて沢山の方が来られます。その分、たくさん排水が出る事となり、衛生的な環境を維持するために、水温やPH、微生物の状態などを把握し、お客様と一緒に排水処理施設の管理を行っています」
今回思わぬ反響を受け、「当社は、特に注目される事もなく、昔から排水処理でお困りのお客様のお手伝いをさせて頂いておりました」ともコメントしている。
うどん排水以外に食品工場排水、高濃度米洗浄排水など、CNTの排水処理施設は各地に導入されているという。また、「自社工場で製造するFRP製タンクを用いて、災害時の備えとしての仮設トイレ収容型地下貯蔵庫(特許取得)にも活用して頂いております」と、幅広い取り組みを伝えた。