フジ編成幹部が中居氏に弁護士を紹介、問題点はどこに? 被害女性の同意あったが...不信感「決して軽視すべきではない」

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   フジテレビと中居正広氏をめぐる問題に関し、フジテレビの親会社・フジ・メディア・ホールディングス(HD)は3月31日、第三者委員会の調査報告書を公開した。その中で、フジテレビの編成幹部が中居氏に弁護士を紹介したことが記載されている。その弁護士は、フジテレビのバラエティー部門と長年の付き合いがあり、被害女性とも面識があったという。

   こうした関係のなか、編成幹部が弁護士を紹介したり、その弁護士が加害者である中居氏の代理人を引き受けたりすることにどのような問題があるのか、弁護士に見解を聞いた。

  • フジテレビ
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  • 中居正広さん(2020年2月撮影)
    中居正広さん(2020年2月撮影)
  • 2025年3月31日に会見をしたフジテレビ・清水賢治社長
    2025年3月31日に会見をしたフジテレビ・清水賢治社長
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  • 2025年3月31日に会見をしたフジテレビ・清水賢治社長

報告書は弁護士の紹介行為を「二次加害になり得る」と評価

   調査報告書では、トラブルが「『業務の延長線上』における性暴力」だったと認定している。

   調査報告書によると、23年11月、被害女性の代理人弁護士から内容証明郵便の書面を受け取った中居氏は、フジテレビ編成戦略センター室長兼編成部長のB氏に相談。B氏は、中居氏にK弁護士を紹介した。K弁護士は、約20年前からフジテレビのバラエティー番組制作上の法律問題等に関する相談業務を依頼されており、被害女性とも共演経験があったという。

   被害女性はフジテレビの社員であることから、中居氏とフジテレビは利害が対立する可能性があったが、K弁護士は、B氏に中居氏の代理人を引き受けて問題がないか尋ねたところ、「フジテレビとしてお願いします」と伝えられた。そのため、利益相反に関するフジテレビの同意は得たと認識していたという。一方、B氏は「フジテレビとして」という発言はしていないと述べているとしている。

   また、K弁護士が中居氏の代理人となることは、被害女性からも代理人弁護士を通じて同意を得ていたという。しかし、被害女性は、「バラエティ部門、K弁護士及び中居氏が一体として感じられ、不快であった」旨を述べたとしている。報告書では、B氏らがK弁護士を紹介した行為について、被害女性に対する二次加害になり得ると評価している。

同意が得られた場合には利益相反でも受任可能

   この場合、K弁護士が中居氏の代理人を務めたことに問題はないのだろうか。

   J-CASTニュースの取材に応じた弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士は、弁護士職務基本規程に「依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件について、事件の依頼を受けたり、法律相談を受けたりすることはできない」と定められていると説明する。

   今回のケースでは、フジテレビとK弁護士との関係性や具体的な契約内容が不明だとしたうえで、

「仮にK弁護士がフジテレビからコンプライアンス関連業務や法律相談を継続的に受けていたとすれば、本件はフジテレビにとって社員である被害女性に対する安全配慮義務や社内コンプライアンスに関わる問題と捉えられる可能性が高い」

と指摘。その場合、中居氏の代理人を務めたことは「利益相反の構造が生じていると評価できます」とし、「K弁護士の職務の中立性・公正性に疑念が生じる可能性があり、倫理的な問題を含むと考えられます」と見解を述べた。ただし、フジテレビとK弁護士との契約実態が不明であることから、「あくまで『可能性がある』」との評価に留まるとした。

   また、この規定の例外として、「依頼者および他の依頼者のいずれもが同意した場合」には受任が認められると説明。

「K弁護士が中居氏の代理人に就任するにあたって、フジテレビの編成幹部からの同意(許可)を得たと主張している場合には、本人としては利益相反に関する了承を得たとの認識で対応している可能性もあります」

女性の不快感「決して軽視すべきではありません」

   では、B氏がK弁護士を紹介した行為についてはどうか。

   正木弁護士は、「使用者(会社)は、被用者(社員)の労務提供にあたって、社員の身体・生命・財産・精神的健康などを守るために、必要な配慮を行う義務を負っています」と説明。「安全配慮義務」と呼ばれるものだ。

   今回、被害女性はK弁護士が中居氏の代理人を務めることに同意しているが、同時に不快感も述べている。このことについて、「『自分の使用者(会社)は誰の側に立っているのか?』という不信感や精神的な負担を伴うものであり、決して軽視すべきではありません」と指摘する。

「会社側が加害者に弁護士を紹介したことが事実であり、その弁護士が被害者と面識があったり、過去に会社の顧問を務めていたなど、会社と関係のある人物であった場合、被害者が『会社は自分ではなく加害者を支援している』と感じる可能性も考えられます」

   女性がこうした精神的ダメージをきっかけとした不調を訴えた場合、「フジテレビが安全配慮義務に違反したとして、法的責任を問われる可能性も十分にあります」とした。

「会社が加害者に弁護士を紹介すること自体が直ちに違法とはいえないとしても、被害者への配慮や説明責任を欠いた対応があれば、安全配慮義務違反として問題となりうる点は、十分に注意すべきであると考えます」
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