焼肉チェーン「焼肉きんぐ」を運営する物語コーポレーション(愛知県豊橋市)は2025年3月31日、名古屋市の店舗で嘔吐する利用客やその周囲の客への対応が不適切だったと公式サイトで謝罪した。SNSでは、嘔吐を繰り返す客を退店させなかったとする投稿が拡散し、批判が殺到していた。
「衛生面における適切な措置」などに「不十分な点」
発表によると、3月28日に名古屋市の「焼肉きんぐ」で、泥酔状態の利用客が客席で嘔吐した。従業員は袋を渡して客席からの移動を求めたが拒否されたとし、客席内での行為が継続したという。
同社は、「嘔吐されたお客様への追加の対応や、周囲のお客様への配慮、衛生面における適切な措置、さらには店舗責任者としての説明や謝罪のあり方に不十分な点があり、結果としてお客様にご不快な思いをおかけすることとなりました」と認めている。
嘔吐客への対応について問い合わせた客に対し、店舗責任者は割引の提案をしたという。だが、「本来お伝えすべきお詫びの言葉や、状況に応じた適切な対応が伴っておらず、結果としてその対応が場の収束を優先したものと伝わり、不信感を与えることになりました」と説明した。
トラブル発生日の翌3月29日、嘔吐があった箇所や周辺を消毒するなどの衛生対策を実施した。31日には保健所にも報告しているという。発表時点で他の客や従業員から体調不良を訴える報告はないとしている。
物語コーポレーションは、周囲の客への適切な配慮が不十分だったことや、責任者からの謝罪や説明が拙かったことなどを反省点として挙げた上で、「当社の教育が十分に行き届いていないことに起因するもの」だと説明。
再発防止策として、嘔吐時の対応マニュアルの改訂と再周知、店舗従業員向け研修の強化などを行うとしている。