総合格闘家の皇治選手が、自ら運転する車で2024年12月に事故を起こしていたことが明らかになった。
所属事務所は25年3月31日、「お詫び」の文書を発表。皇治選手が事故後、車両を残して現場から立ち去った点について、スタッフに連絡がつかなかったためなどと説明しているが、なぜ皇治選手はまず警察を呼ばなかったのか疑問が残る。
自損事故も交通事故
皇治選手のケースは、人身事故ではない。さらに相手がいない「自損事故」だ。それでも警察を呼ぶべきなのか。
チューリッヒ保険会社のウェブサイトで、2017年9月5日に公開された記事内容がこの疑問に答えている(2023年2月1日に内容更新)。
「自損事故とは、当事者が運転者のみの事故です」と位置付けたうえで、
自損事故の届出は、その場で警察に電話して、主に以下の内容を伝えます。 1.事故を起こした場所と日時 2.損害物の内容と程度 3.自損事故後に取った現場での安全確認措置
道路交通法では車両などの交通による死傷または、物の損壊を交通事故として定義しています。そのため、自損事故や物損事故も「交通事故」に該当します。つまり他の事故と同様、自損事故も道路交通法72条の「緊急措置義務」と「警察への報告義務」が課せられています。
三井ダイレクト損保のウェブサイトにも、以下の記述がある。
「道路交通法第72条第1項において、交通事故発生時、運転者は現場で必要となる救護等の措置を講じたのち、直ちに警察へ報告しなければならないと定められています。自損事故も交通事故のため、警察への届出は必要です」
本人からは連絡していない?
皇治選手が所属するTEAM ONEの発表文書によると、同選手が「車両を現場に残して事務所へ移動」した後で、「警察から本人に連絡があり、出頭要請に応じて速やかに対応しております」とある。これを読む限り、本人から警察に届け出たわけではなさそうだ。
皇治選手の事故を報じる記事には、事故後なぜ真っ先に警察へ連絡しなかったかをいぶかしむコメントが少なくない。