2025年の春センバツは横浜(神奈川)の強さが際立った。決勝戦・智弁和歌山との接戦を予想する声が多かったが、横浜が11-4と圧勝。19年ぶり4度目のセンバツ優勝を果たした。
春のセンバツに大阪桐蔭は出場できず
昨秋から公式戦無傷の20連勝で明治神宮大会に続く秋春連覇を飾り、1998年にエース・松坂大輔を擁して以来の2冠達成となった。
他校の指導者は横浜高校の強さについて、「能力が高い選手がそろっているのが一番だと思います。村田浩明監督の用兵術、戦略面でのベンチワークも光りました。隙のないチームで夏に向けてさらに強くなるでしょう」と警戒を強める。
一方で、かつての高校野球の絶対的王者・大阪桐蔭は今大会に出場できなかった。
根尾昂(中日)や藤原恭大(ロッテ)らを擁して黄金時代を築いた時代が7年前の2018年。全国から中学の逸材が毎年のように入学してきたが、近年は進路先に変化が。大阪桐蔭から誘いを受けても断り、他県の強豪校に進学するケースが珍しくない。
中学時代の逸材が「ハイレベルな環境で力を伸ばせればいいが...」
なぜ、このような現象が起きているのか。関西の名門シニアリーグの指導者はこう指摘する。
「大阪桐蔭は中学時代に日本代表で活躍した選手たちがゴロゴロいます。ハイレベルな環境で力を伸ばせればいいですが、伸び悩んで出場機会を得られずに3年間スタンドで応援する子供がいます。甲子園出場の先にプロ入りを目指す中、試合でプレーできないデメリットは大きい。少数精鋭の強豪校で力を磨いた方がいいと考えるのは自然に思えます」
最後に大阪桐蔭が全国制覇を飾ったのは22年春のセンバツ。決勝で近江高に18-1で圧勝した。その後も甲子園の常連校として出場してきた。
決して弱くなったわけではないが、過去の栄光と比べると物足りなく映ってしまう。高校野球を盛り上げるためにも、圧倒的な強さで再び輝けるか。(中町顕吾)