50代女性は「組織チェンジ」、40代女性は「フルチェンジ」の転職
――興味深いのは、女性では転職後の年収アップの割合が、50代が30代とともにずば抜けて高いことですね。その一方で、40代が最も低いです。これは男性の40代(最も年収アップが高い)と真逆の結果です。これらはそれぞれどういう理由でしょうか。
嘉嶋麻友美さん 50代女性の年収アップが高い背景には、女性管理職の転職が活発化していることがあるようです。実際、50代女性で管理職のままで転職する割合は女性の他年代よりも高く、転職後に管理職でいる割合も高い結果でした。これは男性50代と対照的です。
背景には、50代女性が前職と同業種・同職種に転職する「組織チェンジ」の転職割合が約7割と高いことが考えられます。今まで磨いてきたスキルをそのまま活かせる職場に転職しているため、即戦力として採用されているのではないでしょうか。
これに対して40代女性では「組織チェンジ」の割合が5割弱と低く、業種ないし職種、もしくは両方を変える「フルチェンジ」の転職を行なう割合が高いです。転職先を決めた理由でも「新しいキャリア・スキルを身につけることができる」が決め手となるケースが上位に上がります。
私生活が一段落するタイミングで、ワークスタイルにも余裕ができ、転職が新しいことへ取り組むターニングポイントとなっているのではないでしょうか。