LINEヤフー会長の川邊健太郎氏による「名刺」交換をめぐるマナーに関するポストが注目を集めている。
「名刺入れの上に名刺を載せる光景」は「完全に間違えた作法」
川邊氏は2025年3月27日、Xに【名刺入れの上に名刺を載せるな!】と投稿し、名刺交換をめぐるマナー論をつづった。
「名刺交換した際に、名刺入れの上に名刺を載せる光景をよく見かけます。台座の上に頂いた名刺を恭しく頂く感じがいい印象なのかもしれません」としつつ、「が、しかし、小笠原流礼法の方に話を伺ったところ、これは完全に間違えた作法だそうです」とした。
かつて「幕府の公式の礼法」とされた小笠原流礼法の名前を引き合いに、その理由を明かした。
「名刺入れは頂いた大事な名刺を汚さない、折れないようにする為の袋なので、その袋の表面は(汚れから守るために)汚れているので、その上に名刺を置くのは失礼な行為に属するそうです」
名刺を受け取った後の「正しい作法」については、「頂いた名刺が1、2枚の場合は、その場で相手の名前を覚えて名刺入れに大事にしまって会話をするのが正しい作法だそうです」。「枚数が多く、とても覚え切れない状況の場合は、名刺入れではなく、机の上に置くのか正解」とした。
「そもそも小笠原流の時代に名刺があったのか......」
名刺を紙幣に例え、「例えば、頂いたお金を財布の上に置いて恭しく会話する人はおらず、財布に大切にしまいますよね。それと同じと解釈すれば良いのかなと思いました」としている。
川邊氏自身も実践しているといい、「私はこの話はかなり昔に聞いたので、それ以来、名刺入れの上に名刺は置いてません!」。「なるべくお名前を覚えて名刺入れにしまうようにしているので、脳にも良い気がしています」とマナー以外のメリットも明かした。
フォロワーに向け、「置いてはならない理由に納得がいったら、ぜひ実践してみてくたさいね?」と呼びかけた。
川邊氏の投稿には、納得の声もある一方、「古いマナーに反する新しいマナーが増えるとそれ信じる人のマナー違反が増えるんだよね。そして生きにくい世の中になる」「『マナーマナー』と連呼すればするほど本質からズレて行くのはなぜ。そもそも小笠原流の時代に名刺があったのか...」など、過度なマナーの押し付けに疑問を呈するユーザーも少なくない。
「名刺入れの上に名刺を乗せ、テーブルの上におきます」
投稿には、350件を超える賛否のリプライが寄せられたほか、「マナーとは、相手に不快感を与えないための心遣いを表す言動や行動ですが、社会通念上XXX流のマナーが正解というものはありません」とするコミュニティノートも付けられている。
コミュニティノートでは、「厚生省労働局が発行しているビジネスマナー読本では、名刺入れの上に名刺を乗せ、テーブルの上におき、相手側が複数の時は、座っている順番に名刺を並べることを推奨マナーとして例示しています」とし、厚生労働省の福島労働局がインターネット上に公開しているマナー教本のリンクを提示。
「社会人のビジネスマナー」の段落にまとめられた「名刺交換」の欄には、「名刺入れの上に名刺を乗せ、テーブルの上におきます。 相手側が複数の時は、座っている順番に名刺を並べておくと名前を間違うことがありません」と書かれていた。
【名刺入れの上に名刺を載せるな!】
— 川邊健太郎 (@dennotai) March 26, 2025
名刺交換した際に、名刺入れの上に名刺を載せる光景をよく見かけます。台座の上に頂いた名刺を恭しく頂く感じがいい印象なのかもしれません。… pic.twitter.com/fvlzHgRmiP