野球は奥深い。2025年春のセンバツは、健大高崎・石垣元気がセンバツ最速の155キロを計測し、横浜・織田翔希を筆頭に150キロを超える直球が武器の投手が話題になる中、異色の左腕として脚光を浴びているのが浦和実業の左腕・石戸颯汰だ。
右足を顔付近まで高く上げる独特なフォーム
細身の体から、右足を顔付近まで高く上げる独特なフォームで投げ込む直球は120キロ台。だが、打者が振り遅れてポップフライを連発する。チェンジアップの精度も高い。
昨年秋の秋季大会で浦和学院から2安打完封勝利を飾るなど、公式戦8試合で防御率0.72と抜群の安定感を見せた実力はフロックではない。
同校は春夏通じて初の甲子園出場だったが、マウンド上で飄々と投げ込む姿は緊張と無縁だ。1回戦・滋賀学園戦で6安打完封勝利を飾ると、2回戦・東海大札幌戦も5回から救援登板して4回無失点の快投。
準々決勝の聖光学院戦も7回からマウンドに上がり、タイブレークの延長戦を含めて5回無失点に抑え、ベスト4進出の立役者となった。