日本の株式市場、自動車株は下落したが全体的には冷静
J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめた前山裕亮さんに話を聞いた。
――トランプ米大統領が予告通り、日本車も含めた全輸入自動車に25%の関税をかけると発表しました。米国株および日本株への影響をどう考えていますか。
前山裕亮さん 日米株、特に日本株にとって悪い材料だといえます。ただ、金融市場ではある程度、懸念されていたことなので、今日(2025年3月27日)の日本株の動きをみると自動車株は下落したものの、日本株全体でみると混乱した様子はなく、冷静に受け止められた印象です。
今後は、実際に関税によってどの程度、米国の自動車市場が冷え込み、さらにコスト増によって収益が押し下げられるかといった点に注目が移ってくると思います。日本株については、自動車企業が今度の決算発表でどのような見通しを出してくるのかが特に注目されます。
――今回の自動車関税もそうですが、3つの誤算の1つ目に「金融市場が思っていた以上にトランプ氏が強硬姿勢を示している」ことはよく理解できます。
2つ目の誤算とし長期金利が高止まりしていることをあげていますが、なぜ金利が高止まりしているのか。また高止まりするとなぜ株価の下落につながるのか。その理由と仕組みについてかみ砕いて説明してください。
前山裕亮さん 金利が高止まりしているのは、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急いでいないことが最大の要因かと思います。FRBが急いでいない背景には堅調な米国経済がありますが、それに加えてトランプ大統領の政策が物価を押し上げることへの警戒感もあると思います。
金利は債券に投資すれば、ほぼリスクなく得られる収益ですので、債券以上にリスクがある米国株式は金利以上の高い収益が期待できないと投資されません。金利が高止まりするということは、それだけ米国株式への投資へのハードルも高くなり、買いが入りにくく、その一方で売りが出やすくなります。