「キャッシュレス決済は店舗手数料負担が極めて大きくなっております」――。決済方法の多様化で消費者側の利便性が向上する中、コンビニチェーン「ファミリーマート」の一部店舗がレジ付近に設置した掲示物が、2025年3月中旬ごろからSNSで話題になった。
キャッシュレス決済の店舗手数料負担が重く、同社のバーコード決済「ファミペイ」あるいは現金での支払いを案内する内容だ。同社広報部は3月24日、本部の方針として加盟店に案内し、掲出するかどうかの判断は加盟店に委ねていると取材に説明した。
「現金 ファミペイでのお支払いをお願いできれば幸いです」
25年3月中旬ごろ、先述したファミリーマートの掲示物を紹介するX投稿がSNSで注目を集めた。J-CASTニュース記者が25日に東京都千代田区内の店舗を確認すると、同様の掲示物がレジ付近に貼り出されていた。次のような内容だ。
「キャッシュレス決済は店舗手数料負担が極めて大きくなっております。現金 ファミペイでのお支払いをお願いできれば幸いです。お手数をおかけしますが、ご理解・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします」
また、掲出期間は25年3月18日~26年3月17日と書かれている。SNSでは、本部が主導する取り組みなのか、それとも一部店舗が独自に行ったものなのかと疑問を抱く声などが上がっていた。
あくまで「ご案内」、現金やファミペイに決済手段を限定するものではない
ファミリーマート広報部は24日、「ファミリーマート本部として決済手数料負担の軽減のため、お支払いを現金もしくは決済手数料が少額なファミペイのご利用をご案内しております」と取材に説明。現金やファミペイに決済手段を限定したり強制したりするものではなく、あくまで利用者に「ご案内」している、という立場だ。
同社は、「決済におけるキャッシュレス比率の高まりにより、決済手数料の増加が店舗運営における課題となっております」とも説明している。「なお、告知物の掲出については加盟店判断のもと、3月中旬から全国の店舗にて順次展開しております」としている。