ミュージシャンのGACKTさんが2025年3月24日にXを更新し、「練習は家でしてください」と呼びかけた大阪市の商業施設内にあるストリートピアノの公式アカウントの投稿に苦言を呈した。
「不完全さこそが音楽の良さでもある」
発端となったのは、大阪府大阪市の大型商業施設ATCシーサイドテラス内のフードコートに設置されたストリートピアノ「南港ストリートピアノ」の公式Xアカウントが22日に投稿したポスト。
ポストには、「ストリートピアノの演奏者の方へ」と題されており、「【お願いです】練習は家でしてください」「練習を重ねてつっかえずに弾けるようになってから、ここで発表して頂けたら幸いです」「誰かに届いてこそ『音楽』です。手前よがりな演奏は『苦音』です」などと記されており、ネット上から賛否両論が集まっていた。
この投稿を受け、GACKTさんはXで、「手前よがりな演奏は苦音か...笑」と呆れつつ、「確かに、そう聞こえてしまう瞬間もあるかもしれない」とつづった。一方、「でもこれは、弾く側と聴く側、どちらにもリスペクトがあれば乗り越えられる問題だと思う」と指摘した。
GACKTさんは、「最初から上手く弾ける人なんていない」といい、「誰もが不器用で拙い一歩から始まり、練習を重ねながら少しずつ前に進んでいく。未熟さを笑ってしまったら、成長の芽はそこで止まってしまう」と失敗こそが成長の糧になるという自身の考えをつづった。
また、「どんなプロだってミスタッチはする」とし、「完璧じゃないからこそ伝わるものがあり、不完全さこそが音楽の良さでもある」とつづっていた。
「音楽は、技術だけで成立しているわけじゃない」
一方、ストリートピアノという性質について、「もちろん、展示されているピアノの音が不意に耳に入ってくる人たちにとっては、突然のつたない演奏が快く感じられないこともあるかもしれない」とし、「だからこそ、弾く側には『聴こえてくる人たちへの配慮』が必要だし、聴く側にも『誰かが今、勇気を出して音を出している』という事実への敬意があってほしい」と、配慮が大切であると訴えていた。
GACKTさんは「音楽は、技術だけで成立しているわけじゃない」とつづり、「誰かが何かを伝えたいという気持ちと、それを受け止めようとする心があって、初めて響くものになる」と断言した。
また、「聞いてくれる人をどんな気持ちにしたくて弾くのかを演奏者は常に考えるべきだと思う」とつづり、「表現する人と、それを見守る人。お互いが気持ちの良い場所になるといいよな」と自身の考えを明かしていた。
この投稿には、
「音を奏でる勇気と、それを受けとめる優しさが、音楽の本質なんだと改めて感じました」
「プロから見たストピ意見貴重です」
という声が集まっていた。
「南港ストリートピアノ」公式Xアカウントは25日13時ごろ、「この度は、ストリートピアノの活用に係る掲示文書について、表現が適切でなかったことを深く反省しております」などと文面で謝罪。また、ピアノを撤去する方針だと示した。
手前よがりな演奏は苦音か…笑
— GACKT (@GACKT) March 24, 2025
確かに、そう聞こえてしまう瞬間もあるかもしれない。
でもこれは、弾く側と聴く側、どちらにもリスペクトがあれば乗り越えられる問題だと思う。
最初から上手く弾ける人なんていない。
誰もが不器用で拙い一歩から始まり、練習を重ねながら少しずつ前に進んでいく。…