タレントの沖侑果(おき・ゆうか)さん(25)が2025年2月26日、2冊目となる写真集「遊泳解禁」(KADOKAWA)を発売した。沖さんは24年4月に瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ、STU48を卒業。「本当に有名になりたいと思って生きている」ものの、この1年は「崖っぷち」が続いたという。
発売を前に公開される「先行カット」の評判は上々で、新たなファンも増加中だ。沖さんに「ソロ2年目」にかける思いを聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
前作の「結構昭和なテイスト」から「ガラッと雰囲気を変えたい」
―― 写真集は「遊泳禁止」(23年4月)に次いで2作目です。今作のタイトルは対照的に「遊泳解禁」。どんな意味が込められているのでしょうか。「遊泳禁止」は、秋元康さんがつけたそうですね。
沖: 何個か案が送られてきて、その中で唯一4文字熟語だったのが「遊泳禁止」でした。横方向ではなく縦書きにしたかったので、この4文字を選びました。帯コメント(「沖侑果の可憐な微笑みは、南の島の透き通る海のようだ。あまりに、ピュアなので、当⾯の間。遊泳禁⽌にするらしい。」)もいただきました。このタイトルをすごく気に入っていました。ファンの方から「次に写真集出すなら『遊泳解禁』だね」という声が多かったのと、「1作目は海に入っていないけど、今回入っているな」ということに気づいて、「遊泳解禁」にしようと思いました。
―― 前作の各社のインタビューや記者会見では、2月の日本海での水着撮影が寒かったと話していました。今回は一転して初めての海外ロケ、3泊4日でバリ島でした。
沖: めっちゃ暑かったです...!人も多いですし、めちゃくちゃ開放的で、ザ・海外!という感じでしたね。海がめちゃくちゃ綺麗で、日本の海では見られない風景で、すごくテンション上がりましたね。
―― 現地でやりたいことや、事前にリクエストしたことはありましたか。
沖: 前作が、結構昭和なテイストだったので、ガラッと雰囲気を変えたいと思っていました。そんな中で撮影地がバリに決まったので、とにかく鮮やかな色を出そうと思いました。前回は紺や黒などシックな感じが多かったので、今回は赤や青といった水着を選びました。明るい、太陽に合うカットが多いです。結構「暗めな和室が似合う」と言われるタイプなので、今回のような感じは、私にしては珍しいです。
―― 確かに「太陽に合うカット」が多いですね。ロケ中は晴れが多かったのですか?
沖: そうなんですよ!ほとんど晴れで、スコールが1回降ったぐらいでした。
―― 「バリにいるのになぜか秘書姿」というカットもありました。
沖: これは私の提案で、本当にバリとは関係なく日本でも撮れるような、秘書姿が入っています。これは私の唯一の趣味というか、「ねじ込んだ」ものです。(笑) 好きなものを詰め込もうと思ったら、こんな感じになりました。逆にストーリー性が出たと思いますね......!
「早く見たい」vs「なんか見たくないよ」......カオスなコメント欄
―― 「伝説のグラビアアイドルを彷彿させるような開脚」カットは、なかなかインパクトありますね。どなたの発案ですか?
沖: マネジャーさんです。先行カットとして公開すると反響が良くて、嬉しいですね。
―― Xには「写真集の告知投稿インスタは秒で消されてXはセンシティブ警告を受ける...」とありました。
沖: そうなんですよ......!インスタは20秒ぐらいで消されて、投稿し忘れたのかな?と思っていたら、後から警告みたいなものが出てきて、告知ができないんですよ。ランジェリーとかが「センシティブ画像」になっちゃって......。でも別に「センシティブ」じゃないんですよ。
―― そんな中でも、インスタグラムには規制を免れた写真が多く載っています。反応はいかがですか。
沖: 昔から応援してくれている人は、結構親の気持ちみたいな、お父さんお兄さんみたいな気持ちの方が多いので、「大人になってる!沖ちゃんが!」みたいな感じでしたし、逆にこの写真集をリリースするにあたって、フォローしてくれた人も結構多いです。いろいろな意見がありますね。「早く見たい。見せろ」みたいな意見もあれば、「なんか見たくないよ」みたいな......。すごく混じっていて(コメント欄は)カオスな空間ですね。
―― 卒業後は露出を増やせますが、新たなファンも増えたわけですね。
沖: めちゃめちゃ増えましたね......!
―― 今回の写真集では刺激的なカットもあり、ひとつの挑戦だと思いますが、結構勇気がいることですか?それとも、割と淡々と臨めるものでしょうか。撮影の様子を聞かせてください。
沖: 何かやる、といったことは決めていなかったんですよ。バリの雰囲気、バリがそうさせる開放感のようなものがあって、それで撮った感じはあります。実は日本に帰ってきたら、当時の記憶はあまりありません。「やったっけな?」みたいな。(笑) バリで楽しんでいる時に撮ったので、緊張もそんなになかったですね。「バリだしいいか」みたいな......。本当にその場その場で決まったカットが結構あります。
写真集やグラビアは「卒業したからこそ」
―― 人生で初めての海外とのことでしたが、困ったことや、ハプニングはありましたか。
沖: 英語が通じなかったことですかね。あまり英語は勉強してこなかったので......機内食の時点で伝わらなかったです。
―― バリということは、ガルーダ・インドネシア航空ですか。だとすれば、日本語ができない客室乗務員(CA)の方もいそうですね。
沖: そうなんですよ!(日本語も英語も通じなかったので)和食が来なかったです......。
―― それ以外は、スムーズなロケだったわけですね。
沖: なので、プライベートでは行けないなと思いました。この語学力では......。ありがたいですね、仕事で行けて。
―― 24年4月にSTU48を卒業し、まもなく1年です。この1年の変化について聞かせてください。印象的な仕事などあればお聞かせください。
沖: 写真集やグラビアに挑戦できたのは、卒業したからこそだと思います。STU48はなかなかグラビア撮影がないグループだったので、結構大きかったですね。それでSNSのフォロワーも増えました。全部の仕事を1人で行くのは、未だに変な感じがします。今まで楽屋とかも大部屋だったし......。現場に電車で1人で行くのもなかったし、不安がいっぱいでしたが、最近ようやく慣れてきました。最近は、ちょくちょく配信系のバラエティーに出演させていただいていますね。
「全然崖っぷちです!全然仕事ないですから」
―― 24年10月に公開された「出版区」の動画では、「崖っぷち」だと話していました。その理由は「まあ地方ではそこそこ通用してたんですけど、やっぱり東京に来ると大変だなって思いますね」。動画公開から数か月経ちましたが、「崖っぷち」からは脱出できそうですか。
沖: いや、全然崖っぷちです!全然仕事ないですから。
―― なるほど......、この写真集でファンが増えて......!
沖: 増えたらいいですね、本当に。私、本当に有名になりたいとずっと思って生きているので、そうなれるまでは崖っぷちですね。
―― 動画では「お金にも時間にも、だらしがないので」とも話していました。グループ在籍時、遅刻して自腹で空港まで向かったエピソードは有名です。
沖: 有名ですね。(広島市中心部から)広島空港まで1時間半ぐらいかかるんです。みんなが集合してバスで移動するときに寝坊して「タクシーで行くので行ってください」と伝えて、自腹で乗りました。逆にバスより早く着きました。(笑) 高速道路も使って2万円くらい......謎の出費でした。
―― この1年は大丈夫でしたか。
沖: まあまあ大丈夫でした。
―― 督促状が来る、みたいな話もしていましたね。
沖: 最近は地元の区役所からメールが来ました。怖くてまだ見ていないのですが......!
―― 「ソロ2年目」では、どんなことに取り組んでみたいですか。この写真集でスタートダッシュは好調だと思いますが、目標などあったらお聞かせください。
沖: ラジオが好きなので、深夜番組のアシスタントを務める機会があれば、すごく嬉しいです。ラジオ以外にもバラエティーとか......。30代~50代ぐらいの男性にハマるタイプの人間だと思っているので、そういった皆さんに向けた仕事を多くできればと思っています。
沖さんは「お渡し会」と呼ばれる発売記念イベントを4月6日にHMV三宮オーパ(神戸市中央区)、20日にタワーレコード広島店(広島市中区)で開く予定。
沖侑果さん プロフィール
おき・ゆうか 1999年生まれ、岡山県出身。2018年、AKB48グループドラフト会議で史上最多5チームの指名競合を受け、STU48にドラフト3期生として加入。2枚目シングル「風を待つ」(19年発売)から10枚目シングル「君は何を後悔するのか?」(23年発売)まで9作連続で選抜メンバーに選ばれる。23年には写真集「遊泳禁止」(玄光社)を発売。24年にグループを卒業し、タレントとして活動している。