ドッグランやアニマルセラピーで巻き返しを図ったが...
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった東京商工リサーチ情報部の担当者の話を聞いた。
――動物病院の倒産が2023年まではほぼ年間1、2件と、1つの業種としては珍しいくらい安定していたのはなぜでしょうか。やはり、ペットブームが背景にあるのでしょうか。
担当者 ペットの動物病院での治療が浸透し、根強い需要で比較的、安定した経営を続けることが可能だったと考えます。また、最新鋭の高額な医療機器をそろえている動物病院も当時は少なく、ペットの飼い主も症状に応じて、かかりつけ医とすみ分けており、過当競争に陥っていなかった点も大きいと思います。
――ところが、2024年に様相が一変した理由は何でしょうか。倒産した病院のケースを具体的に説明してください。
担当者 ペットブームが落ち着き、新規開業が増加したうえ、医療機器への投資負担など、動物病院同士の競争が激化しております。
競争激化からドッグランやアニマルセラピーなどの多角経営を始め、巻き返しを図ったが、業績回復に結びつかず、資金繰りが悪化し破産した関東の動物病院がありました。また、個人事業の動物病院の倒産も目立ちました。いずれも小規模運営でしたが、売上不振で破産するなど、競争が激化している様子がみられました。