大手牛丼チェーン「すき家」公式が2025年3月22日、「すき家に関する一部報道について」とのお知らせを公開し、SNSで拡散されていたみそ汁への異物(ネズミ)混入を認め謝罪、対応を明かした。
「その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認」
問題となっていたのは、鳥取県の店舗のGoogleマップのクチコミへの投稿だ。投稿したユーザーは、灰色のネズミがみそ汁に浸かった状態で写った写真を添え、「たまかけ朝食を注文したところ味噌汁の中にねずみの死骸が混入していました。考えられません」と訴えていた。日時は「2028年1月21日」と書かれていたが、西暦はタイプミスとみられていた。
投稿のスクリーンショットなどがSNSで拡散されると、大きな注目を集めた。拡散された写真は一部からは「デマ画像」ではないかといった指摘も上がっていた。なお、23日10時までに投稿は閲覧できなかった。
こうした中、すき家は公式サイトでお知らせを公開し、クチコミ内容が事実であったことを認めた。
「1月21日午前8時頃、当該店舗にてお客様より従業員へ、喫食前の『みそ汁』に異物が混入しているとのご指摘をいただきました。その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認しています」
混入原因については、「調査を行った結果、『みそ汁』の具材をお椀に入れて複数個準備をする段階において、そのうちの1つのお椀の中に異物が混入していたと考えられています。当該従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠ったため、異物に気付かずに提供が行われました」と説明。
「なお、同店において同様の異物混入の恐れがある商品は当該お客様以外の方に対しては提供されておりません」という。
「当該店舗の建物構造と周辺環境が重なった事例」
トラブルの発生後、当該店舗は「すぐに一時閉店し、衛生検査の実施と、異物混入に繋がる可能性のある建物のクラックなどへの対策を講じるとともに、商品提供前の目視確認など、衛生管理に関して改めて従業員に対する厳格な教育を行いました」。発生当日に所管の保健所にも相談を行い、2日後、保健所からの現地確認を受けた上で営業を再開した。
全国の店舗に向けても「異物混入を未然に防ぐために提供前の商品状態の目視確認」の徹底を周知したという。
トラブルが発生した原因については「本件は当該店舗の建物構造と周辺環境が重なった事例と当社では捉えています」とし、次のように説明している。
「外部からの害虫や害獣を阻止することは重要な課題としてこれまでも対策を行ってまいりました。侵入を誘発する食物残渣を含むゴミは冷蔵ゴミ庫に収容するなどの措置を講じています」
そのうえで、「店舗のクラックの確認を四半期ごとに行うことを決め、今年1月から開始しています。今後は害虫や害獣の侵入についてさらに徹底して研究と対策を進めてまいります」としている。
問題の発生から約2か月間発表がなかったことについては、「発生当初に当社がホームページ等での公表を控えたことで、事後の断片的・間接的な情報により多くのお客様に不安と懸念を抱かせる結果となってしまいました」とし、「お客様および関係者の皆様に、ご迷惑とご心配をおかけしたことを改めてお詫び申し上げます」と謝罪している。