「社内副業」を導入する会社が増加中? 業界通は冷ややか「実は人材の引き止め策では」

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   システムインテグレーターの日立ソリューションズ(東京・品川)が、「社内副業」を支援するマッチングサービスの開始を発表した。社員はあらかじめシステムに「自分が提供できるスキル」を登録しておき、必要に応じて「欲しいスキル」を備える対応者を検索できる。

   その文章をAIが理解し、自社内やグループ会社内人材をマッチング。スキルを提供した対応者には、会社がインセンティブを支給する。この仕組みは、同社内の事業化アイディアソンで最優秀を獲得し、特許出願中だ。

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就業時間の3割を「他部署の仕事」にあてられる会社も

   「社内副業」などという制度があるのか、と驚く人も多いだろうが、人材会社で大手企業の採用支援を行うAさんによると、すでに制度化し運用している会社が少なからずあるそうだ。

「私の担当クライアントでも内々でやっているところがありますし、同僚からもやり始めた会社が増えたと聞いています。日立ソリューションズのサービスにも、そういう背景があるのではないでしょうか」

   Aさんによると、社内副業を始めたのは国内では2017年のDeNAが最初期で、本人の希望で就業時間の最大30%を他部署の仕事にあてることができる「クロスジョブ制度」を導入している。

   就業時間に占める割合は、リコーやKDDIでは2割まで、丸紅では15%まで。いずれの会社でも追加の給与は発生しないが、サイバーエージェントではエンジニア限定で「就業時間外」の社内副業が可能で、追加の給与も支給される。

   日立ソリューションズのリリースによると、社内副業によって会社は「中途採用による人財獲得と育成の負担減」に加え、社員の「成長機会の創出」などを見込んでいる。

   一方、社員にとっても、日頃の職場では得られない経験や人的ネットワークにより「能力開発への挑戦」や「強みを生かす機会」になるという。この点について、Aさんは「実は人材の引き止め策という側面が大きいのでは」と指摘する。

「いまの若い人たちは売り手市場を生きてきたので、自分のキャリアを主体的に形成していきたいという意欲が強いんです。言い換えれば『ここではなく、もっと自分に合った仕事があるのでは』と考える。そういう人は、何のケアもしないと辞めてしまうんです」
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