「卵が4個も」で生活保護申請を却下? 桐生市第三者委に寄せられた苛烈な実態

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   冷蔵庫に卵が4個もあったとして生活保護の申請が却下されたり、家計簿に付けた生理用品のレシートも見られたり...。生活保護支給で不適切な対応があったとされる問題で、群馬県桐生市が設置した第三者委員会に寄せられた情報提供の内容が話題になっている。

   その真偽ははっきりしていないが、一部で事実とみられるような報道もあった。同市では、10年間で支給が半減したとも報じられている。渋っていたとすれば、一体なぜなのだろうか。

  • 桐生市役所(写真:河口信雄/アフロ)
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  • 桐生市のサイトから
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「どんな生活しているんですか」とチェックされたという

   「これは税金ですよ」。生活保護の利用者がメガネを購入すると、桐生市の担当者は、こう言って怒鳴ったという。

   この利用者によると、2018年~24年3月ごろ、2週間に1回乳児を連れて市役所に出向き、保護費を受給するため、家計簿を提出していた。1円でも合わないと怒鳴られ、市のケースワーカーが自宅訪問で勝手に冷蔵庫を開け、「どんな生活しているんですか」と厳しくチェックされたという。

   これは、市生活保護業務の適正化に関する第三者委員会に寄せられた情報提供の1ケースだ。14日に開かれた第三者委で100件のケースが挙げられた。

   これらに目を通すと、現実なのかと思えるような職員対応が続々出てくる。

   支給が月ごとではなく、1日1000円といった分割払いになったというケースもあった。ある利用者は、週に1万円しかもらえず、「生活保護を受けるのは恥だ」といった対応を受け、半年ほどで半強制的に支給を打ち切られたという。また、本来の額の半額ほどしか支給されないとする利用者もいたほか、ある利用者の親は、息子に弁当を持っていくことがたまにあると伝えると、1か月に6000円ほどの食品を息子に渡していることになってしまったという。

   そもそも生活保護の申請を却下されたとする訴えも、多かった。

   ケースワーカーが自宅訪問で「卵が4個も入っている」と指摘したケースのほか、ある福祉関係者によると、年金が月額で2万5000円ほどの人を申請させようとしたところ、「あなたよりも低年金で頑張っている人がいる」「家族の支援を優先せよ」と言われ、却下されてしまった。

   こうした内容が第三者委で報告されたとメディアで報じられると、ネット上で、大きな話題になった。

支給半減は「第三者委の報告書を見て、見解を出したい」

   「『生活保護を受けるのは悪』がその発想のベースにある」「卵を食べる事すら許されない」「本当に生活保護が必要な人には支給するべきだ」などと市への疑問や批判が相次いだ。その一方で、市が支給を渋るのには理由があるのではないかとして、「働けるのに働かない人もいるはず」「不正受給が後を絶たないから役所側も強く言わないといけない」「もう少し審査を厳しくしてもいい」といった意見も出ていた。

   報道によると、桐生市の生活保護問題は、毎日1000円ずつ半額ほどしか支給されない利用者がいるなどとして、群馬司法書士会が23年11月に市に改善を要請したのがきっかけだった。

   これに対し、市が調査に乗り出し、こうした分割支給があったことを確認し、一部不支給は生活保護法違反だと認めた。現在は、第三者委が調査を行っており、25年3月28日に最終的な報告を市に行う予定だ。

   第三者委への情報提供でも、事実とみられるようなケースもあった。利用者の80代女性は、子どもなどから毎月2万3000円の仕送りを受けているとみなされたが、市が認定の誤りを認めて約76万円を追加支給したと、7日から地元紙などが報じた。これは、情報提供にあった26番目のケースともみられる。

   情報提供の内容について、市の福祉課は21日、J-CASTニュースの取材に対し、第三者委が調査したもので、市として事実だと分かった内容はまだないと答えた。利用者が市職員2人を桐生署に刑事告発して受理されたと13日に報じられたことについては、「警察から問い合わせがあったのは事実ですが、詳しいことは申し上げられません」と話した。

   なぜ10年間で支給が半減する事態になったのかについては、「第三者委員会の報告書を見て、市としての見解を出したいと思います。さらなる改善が必要であれば、そうしたいと考えています」と説明した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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