プロ野球日本ハム、ダイエー、中日、巨人で投手としてプレーした野球解説者の武田一浩氏(59)が、2025年3月17日に公開されたユーチューブ動画「みんなのプロ野球チャンネル」に出演し、佐々木朗希投手(ドジャース、23)の球速について独自分析した。
「球が指にかかっていない感じがしてしかたがない」
動画では、佐々木が3月5日(日本時間)に登板したシンシナティ・レッズ戦(オープン戦)の投球内容に基づいて武田氏が分析した。
武田氏は佐々木の投球について、「フォークがめちゃくちゃ落ちる。あのフォークは打てないでしょ」と驚いた様子で語り、直球の1分間あたりの回転数に言及した。
「真っすぐが2200回転くらい。もともとシュート回転する。(球が)指にかかっていない感じがしてしかたがない。平均が2300回転くらいで、2500回転すればすごいピッチャー」
佐々木の直球の回転数をめぐり、米メディア「スポーツイラストレーテッド」(ウェブ版)が、大リーグ投手の平均を下回ると指摘していた。
武田氏は、さらに佐々木の球速が低下している要因について、現役時代の自身の経験をもとに独自分析した。
98年シーズンに13勝を記録し、パ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した武田氏だが、28歳のころに一度、球速が落ちたという。その後、投げ込みなどによって球速が戻ったという。
佐々木は、岩手・大船渡高校時代に球速163キロを記録。プロ入り後も160キロ超えの剛速球を連発させてきたが、24年シーズンは平均球速がこれまでよりも低下した。
「彼の良いところは、バレーボールのスパイクみたいな角度」
スポーツ紙の報道によると、23年シーズンの直球の平均球速が159.3キロだったのに対し、24年シーズンは155.9キロまでに落ちたという。
武田氏は、球速が落ちた要因を「スライダー」と推測し、次のように持論を展開した。
「スライダーを投げだしてからスピードが落ちている感じがしてならない。ストレート(の投げ方)が、ちょっと横振りになっているんじゃないかな。スプリットと真っすぐだったら、上から叩きつける。彼の良いところは、バレーボールのスパイクみたいな角度で球が来るから、バッターが打ちづらい。フォークも見極めづらい。スライダーを投げることによって、ちょっと(腕が)横振りになっている」
果たして佐々木の球速は戻るのか。武田氏は今後について、こう語った。
「本人の見解がどうだか分からないが、ただドジャースのコーチと練習をして、回転数を上げたり、スピードが上がるようにやっていると言っていた。スピードガン的には99マイル(159.3キロ)でしょ。本当はそんなものじゃない。今までの平均と、1番速い球が同じくらいになってしまった。その辺の細かい練習とか、やり方はコーチを呼んでやっているんでしょ」
佐々木はオープン戦2試合に登板し、合計で7回を投げ、7奪三振無失点。18日にドジャースと大リーグ契約を結び、19日に東京ドームで行われるカブスとの東京シリーズ第2戦で先発を予定している。