物価高に怯える写真愛好家たち
実は、写真材料の段階的な価格引き上げは、パンデミック以前からすでに始まっていた。しかし、それが一段と顕著になったきっかけはやはり、ロシアのウクライナ侵攻だろう。
9.11に並ぶ21世紀最大級の情勢不安は、あらゆるものの価格を一気に押し上げた。
数多くの材料や薬品を使わなければならないフィルムカメラの世界は、そこからくる高波の影響を真正面から被ってしまったかたちである。
上述のケントメアのフィルムも、そう遠くないうちに1500円、2000円に価格が引き上げられてしまうのではないか――。そんな心配もある。
Z世代をにぎわせているフィルムカメラブームだが、物価高の恐怖と隣り合わせでもある。(澤田真一)