若者の間で「フィルムカメラ」が流行っている。
デジタルカメラやスマホカメラでは表現できない画質、雰囲気が若い世代に受け入れられたのだ。
思えば2000年代までは、近所の写真店だけでなくコンビニエンスストアなどでも難なく購入することができた写真用フィルム。しかし、そこには昨今の国際情勢と物価高が大きな影を落としている。
久々に若者が足を通うようになった街の写真店では、物価高に対する嘆きが絶えない。
なぜ若者がフィルムカメラに注目するのか
スマホカメラを含むデジカメは、設定次第ではあるが最終的な写りがシャープになるようにできている。
その場の景色を正確に写実するということでは、デジカメはそのパフォーマンスを十二分に発揮する。しかし、写実的な画像はあまり面白くない。だからこそ、若者はスマホで撮影した写真をわざわざ加工アプリで作り直す。色合いを変えて、写実的な画像からあるテーマに沿った描写的な画像に加工するのだ。
フィルムカメラを使えば、当初からノスタルジーに溢れた「エモい写真」を撮影することができる。また、フィルムカメラは、デジカメのように何十枚も連続で撮影することができない。しかし、それゆえに「自分の腕」が試されること、どのような写真が出てくるのか現像に出すまで分からないことも若者に支持される要因になっている。
2024年7月には、リコーイメージングがフィルムカメラ『PENTAX 17』を発売。35mmフィルムの半分を1枚として換算する、ハーフサイズカメラの新製品がデジタル全盛の2024年に登場したことは、大きな話題になった。