「最上あい」の名前で活動していた動画配信者の女性・佐藤愛里さん(22)が2025年3月11日に高田馬場駅(東京都新宿区)近くの路上で男に刺され、その後死亡した事件をめぐり、最上さんの婚約者を名乗る男性がXアカウントを開設し、事件発生までの経緯を明かした。
「最上あいは、私と一緒に住んでいて婚約者でした」
事件の発生後、SNSでは最上さんが男に対し借金の無心をするメッセージのスクリーンショットなどが拡散されていた。
最上さんの婚約者を名乗るユーザーのアカウントは、事件が起きた当日に開設されたものとみられる。事件当日の夜の投稿では、「最上あいは、私と一緒に住んでいて婚約者でした」とした上で「当アカウントが偽物と疑われる可能性も考慮し、最上あいと私の写真を貼っておきます」として最上さんとみられる女性と婚約者のツーショット写真や動画を公開している。
「彼女が誠実な人間でしたと主張したい訳ではありません」
13日には、長文ポストで「私が文章を書く理由は最上あい(佐藤愛里)が故人となった為」と説明。「彼女が誠実な人間でしたと主張したい訳ではありません。彼女は実際に金銭面のモラルはよくありませんでした」としつつ、「今Xに上がっている情報は凶行に及んだ犯人が事前に世に流している情報に見受けられます」と事件を取り巻く世論への不満をつづっていた。
16日の投稿では、投稿者自身のプロフィールについて「私は1992年4月22日生まれ 油井大顕(ゆいだいけん)と申します。株式会社ORNIS(オルニス)代表取締役です」と明かした上で、書面を公開し詳細を明かした。
「最上あい(佐藤愛里)と高野容疑者の時系列」として公開した書面では、事件発生までの経緯を説明している。
書面によると、最上さんと男が配信サイトを通じて知り合ったのは2021年12月のこと。翌22年9月?11月に最上さんと男の間に約250万円の金銭授受が発生。同年12月に男が最上さんが働く飲食店に通い始め、好意を抱き何度も交際を迫るようになり、23年1月には、男の嫌がらせにより最上さんが配信を休止した。
油井さんは7月に最上さんと音声通話アプリで出会い、ほどなく交際をスタート。8月に同棲を開始し結婚の約束を交わしたという。この時、油井さんも最上さんに「数十万円ずつ」お金を貸し始めたという。
男とのLINEのやり取りを発見したが、最上さんは「リスナーとの金銭トラブルなだけ、返しているのに」と説明し、LINEを削除した。
10月に「ぢさつ」というXアカウントが油井さんをフォロー。「配信者にお金を貸したまま飛ばれた」との記載があったことから確認を行うと、最上さんに過去に80万円の借金トラブルがあったことが判明した。
11月には最上さんから油井さんへの借金の返済が滞り、最上さんに資産がないことが判明。資金難に陥ったことから12月にはタワーマンションの退去手続きを行った。
24年1月には、油井さんも消費者金融から200万円の借金をした。最上さんは「精神病で外では働けない」として配信業で返済を行うと約束したが、嫌がらせを受け配信ができないとしていた。男が執拗なストーカー行為をしていたと聞いていた油井さんは、最上さんと男、油井さんの3人で話し合いを持った。しかし、男と最上さんの間にあった約250万円の詳細は不明だったという。
「(容疑者は)お金を使用したのに関係が発展しなかったことへの執着や恨みもある」
その後、男は裁判を提起し、男の主張が全面的に通った。最上さんは「裁判されたことと、 その判決に動揺し、 詳細を語らず」。油井さんは誓約書の締結を求めたが、男と最上さんは「『秘密保持契約』と繰り返し発言」した。油井さんは「2人しかわからない秘密により愛里さんが脅されていると思い、支払うか支払いかの2択しかないと愛里さんに告げ」たという。油井さんにはなおも不審な点があったが、最上さんは「何もない」と回答していたという。
3月には誓約書の締結に際し、書面違約金条項について「配信を邪魔されなければOK」との認識を持っていた最上さんと、「違約させて借金を帳消しにするつもり」とした男の間で意見が対立し、配信の嫌がらせや妨害行為を受けていたとしていた。
「最上あい(佐藤愛里)について」として公開した書面では、男の目的について「目的は、単なる返済金の回収だけではなく、お金を使用したのに関係が発展しなかったことへの執着や恨みもある」と説明。自身に関する疑惑については先の時系列を示し「私が共犯や指示役は誤り」と否定した。
一連の告発内容には、「何を否定するためのポストなのか分からないんだが?」「高野氏は一貫して弁護士を通じての解決を希望しているのに、最上あい(佐藤愛里)氏と貴方は適切に対応していない。それなのに、高野氏の人格を貶める形で、自分たちの対応を正当化してるとしか読めない」などとする声が上がっている。