米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(ウェブ版)は2025年3月12日、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)の特集記事を組み、次戦の対戦相手に言及した。
「井上戦のポスターにはカルデナスの写真がない」
井上は5月4日に米ラスガスで、WBA同級2位のラモン・カルデナス(米国、28)と対戦することが決定した。
当初、WBC同級1位の指名挑戦者アラン・ピカソ(メキシコ、24)との対戦が内定していたが、ピカソ陣営が対戦を回避したことからカルデナスに白羽の矢が立った。
ボクシングの本場ラスベガスでの防衛戦。世界中のボクシング関係者の注目を集める中、「ボクシングニュース24」は、「井上対カルデナス またしてもミスマッチ?モンスターのスターダムへの安易な道に反発」とのタイトルで記事を展開した。
記事では「井上戦のポスターにはカルデナスの写真がない。カルデナスの写真をポスターに載せるほど、カルデナスを知っているファンも、関心を持っているファンもいないのだろう」と指摘した。
試合のポスターは、試合が行われるラスベガスの街を背景に、井上が地面に向かってパンチを放っているもので、そこに対戦相手となるカルデナスの姿はない。
「難くせ」はこれに留まることなく、さらに続いた。
「質の高い相手との戦いを見たいのだ」
「ソーシャルメディア上のボクシングファンは、井上の対戦相手の選択に不満を抱いている。23年以降、彼(井上)は勝負ならないと予想された試合を3試合連続で行った。ファンは井上尚弥を軽蔑し始めているが、その理由は理解できる。ファンは、彼らが見たいと思うような質の高い相手との戦いを見たいのだ」
同メディアが指摘する直近の3試合は、24年5月のルイス・ネリ(メキシコ、30)戦、24年9月のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、38)戦、そして25年1月に行ったキム・イェジュン(韓国、32)戦だ。
3試合いずれも井上がKOもしくはTKOで勝利した。
「ボクシングニュース24」は、今回の対戦相手のカルデナスも「イージー」な相手とみており、皮肉を込めて、こう伝えた。
「興味深いことに、ナオヤはいい試合を日本にとっておき、カルデナス戦のように、それほどでもない試合をアメリカに残している。中谷潤人との対戦も同じだ。井上はじっくりと作り上げるよりも、今、中谷と戦うべきだ」
同メディアが提言するWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T、27)との対戦は、ボクシングファン待望の一戦だが、スポーツ紙の報道によると、年内の対戦はなく、対戦が実現するとしたら26年以降となる見込みだという。