宮崎県の私立大学・宮崎産業経営大学で、教員同士で結婚した夫婦の妻が、大学から雇い止めを通告されたことなどが不当だとして、大学側を提訴した。大学側は「小規模大学のため夫婦共稼ぎはご遠慮いただく」という不文律があることなどを理由にしているとも報じられており、時代錯誤な主張にSNSでは疑問の声が上がっている。
こうした不文律はなぜできたのだろうか。宮崎産業経営大学の代理人弁護士は、「裁判の場で明らかにしていきたい」として回答は差し控えるとした。
不文律が実際にあったかどうか含め「裁判の場で明らかにしていきたい」
地位の確認や処分の無効などを求めて訴えを起こしたのは、宮崎産業経営大学の法学部で教授と准教授を務めていた夫婦。夫婦は12日に記者会見を行い、その報道を総合すると、結婚を大学に報告したところ、大学は准教授の妻の雇い止めを通告した。夫婦が異議を申し立てたところ、2人とも戒告の懲戒処分を受けた。懲戒処分の内容を示す文書には「小規模大学のため夫婦共稼ぎはご遠慮いただくという不文律がある」との注釈が記されていたという。さらに大学側は、妻の採用は「実情人事」だったなどとしたという。
この報道に、エッセイストの藤井セイラさんが「ありえない。結婚で懲戒処分」とコメントしたほか、「現代の大学でそんなことある??」「いくらなんでもこれはひどいわ...」など大学の対応に対して疑問や批判の声が寄せられた。なかでも「小規模大学のため夫婦共稼ぎはご遠慮いただく」との不文律に、「夫婦共稼ぎはご遠慮の意味が1ミリもわからない」「不文律て、、何時代の話なの」といった声が上がっている。
この不文律は実際にあったのだろうか。また、何の目的でできたものだったのだろうか。大学はJ-CASTニュースの取材に応じず、代理人弁護士に問い合わせるように求めた。代理人弁護士は、不文律が実際にあったかどうか含め「証拠として裁判の場で明らかにしていきたい」として回答は差し控えるとした。
記者会見を取材した各社によると、大学側はコメントを出し、「秩序・規律を乱した重大な規律違反」などとして争う姿勢を見せている。このコメントについても問い合わせているが、代理人弁護士は13日19時時点で回答していない。