大学生時から「老後」と「年金」の不安 給与は平均程度でよいが...就職で大切にしたいものは/マイナビ・中島英里香さん

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「給与だけでは最低限の生活だけ」と副業を考える学生

――【図表2】の企業選択のポイントが驚きです。「自分がやりたい仕事(業種)ができる会社」の割合がどんどん低下、「安定している会社」がトップに躍り出ました。その理由は、ズバリ何でしょうか。

中島英里香さん 2026年卒学生はコロナ禍で大学受験を経験し、その後はウクライナ紛争や、イスラエル・パレスチナ紛争、能登半島地震、円安・物価高といった社会背景の中で学生生活を過ごした世代です。

先行き不透明で将来の予測が困難な状態である「VUCA(ブーカ)の時代」というにふさわしい時代を生きてきた彼らは、この先どうなるかわからないという不安の中で、安定志向が高まっているのではないかとみています。

――【図表3】の学生が感じている将来の不安も悲しいですね。何十年も先の「老後」と「年金」が、近未来にやってくる「結婚」より上位であることに驚いています。

中島英里香さん 「VUCAの時代」を生きてきた今の学生にとって、遠い将来は近い未来以上に何が起こるかわからない、想像できない、という感覚があるのではないかと考えています。

また、「老後2000万円問題」や「人生100年時代」といった話題を耳にする中で、長い人生を歩むことを現実的にとらえ、生活を続けるためのお金について不安が強まっていると考えられます。

実際に学生に就職後の収入と生活について聞いたところ、「就職先の給与のみで最低限の生活はできる」という回答が49.4%と最も多く、「就職先の給与のみで満足する生活が続けられそう」(36.7%)よりも10ポイント以上高い結果となりました。

学生の給与のイメージとして、生活するために必要な金額は得られるが、趣味の活動を行う・好きなものを購入するといった各個人が理想とする生活を送るために必要な金額までは得られないという認識があるのではないでしょうか。

そのためか、就職後に副業を検討すると答えた割合が66.0%となっています。
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