「画面の小ささ」による画質低下
デジカメが実用的な製品として確立される前のフィルムカメラでも、写真1コマあたりのフィルムの大きさに余裕があれば、その分だけ画質がよくなることは言われていた。いや、実際にそうだった。
たとえば、かつてコダックが開発した『ディスクカメラ』。これは円盤型のフィルムを差し込んで使うタイプのコンパクトカメラで、「フィルムの巻き上げ」という概念もなく、レリーズボタンを押せば矢継ぎ早に撮影できるというものだ。
これが登場した当初はボディのスリムさ、軽量さに誰しもが驚いた。が、実際に撮影してみると、画質がよくなかった。写真1コマあたりのフィルムが非常に小さいためだ。
たとえ話で説明しよう。狭いグラウンドに100人の子供を押し込んでも、彼らは自由に走り回ったりサッカーをしたりすることはできないだろう。ならば、広いグラウンドを用意して、子供たちを入れてあげよう。こうすれば、狭いグラウンドにいた時よりも、いろいろな運動ができるはず。ただし、広いグラウンドを使うは賃料が高額になるものだ。
大雑把なたとえではあるが、デジカメのセンサーもそれと似ている。