「日常的に客に薬を渡す対応は認められていません」
「昔は、徹底されていませんでしたので、フロントで薬を渡したという話は聞いたことがあります。しかし、今はそのような対応はしていません。風邪薬などはコンビニでも取り扱いしていますので、ホテルが把握していて、お客様にご案内していると思います。各ホテルでは、医薬品ではないばんそうこうなどをフロントで用意したり、浴場では綿棒を備え付けたりはしています」
客に薬を求められたときのホテルなどの対応について、厚生労働省の医薬食品局総務課は3月10日、取材にこう話した。
「薬機法の第24条から、ホテルとして、日常的に客に薬を渡す対応は認められていません。一般的には、薬は授与できませんが、薬をあげないと倒れてしまう場合もあると思います。ケースバイケースで、緊急対応なら直ちに違反にはならないでしょう」
客に薬を渡せない理由としては、薬剤師が患者から話を聞き、情報提供してから医薬品を取り扱わなければならないからだと説明した。以前の旧薬事法でも、この条項はそのままあったという。
ばんそうこうなどは、許可がいらないので、渡しても差し支えないとした。ただ、湿布については、医薬品になる可能性があり、その場合は、許可が必要だという。
もしホテルなどが薬機法に違反した場合は、保健所などが指導することになるとした。各自治体の指導例については、厚労省では把握していないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)