日本維新の会代表を務める大阪府の吉村洋文知事が2025年3月9日、日本維新の会からの参院選への出馬を辞退した中国出身で評論家の石平(せき・へい)氏について、Xで言及した。
「中傷誹謗・罵詈雑言に対し、家族が動揺してパニックに陥っている」
石平氏は2月11日、夏の参院選に日本維新の会の公認を受けて出馬すると表明。一転して3月2日、Xで出馬を取りやめると報告した。
取りやめの理由については「ネット上で溢れた、私個人への中傷誹謗・罵詈雑言に対し、家族が動揺してパニックに陥っていることにある」と説明。
合わせて、自身に対する「中傷誹謗」ではない健全な批判も多く上がっていたともした。「帰化人1世の国政参与に対し、保守層を含めた多くの有権者が疑問・危惧の声をあげてきている」とし、「こうした切実な危惧と疑問を無視することはできない。出馬取りやめの上、『帰化人一世が国政に出るのは良いのか』との大問題を、もう一度深く考えていくつもりである」としていた。
「出馬の意思は固く、覚悟をされていました」
吉村氏は9日、「石平さんの出馬辞退について、ご本人の名誉の為にも少しお話しします」として、Xで経緯を明かした。
石平氏について「石平さんは、中国の事情に詳しく、対中国の日本政策に強い危機感を持っておられます」とし、出馬の申し出を受け「僕自身も共感するところも多くあり、純粋に政治の場で一緒に仕事をしたいと思いました」と振り返った。
「石平さんの日本の為に仕事をしたい、残りの人生を日本に尽くしたい、という気持ちは本物であり、それは今でもそうだと思っています」という。
一方で、当初より「特に石平さんが中国の帰化一世である点、維新が親中だと信じ込んでいる一部のネット上の声、賛否だけでなく、罵詈雑言、誹謗中傷は必ず起きます」と懸念点もあったという。
石平氏は「日本の為に頑張りたいという思いが強く、出馬の意思は固く、覚悟をされていました」といい、吉村氏も「石平さんは中国出身ですが、日本人であり、被選挙権もあり、なにより、日本を愛する強い気持ちがあると思っています。選挙の審判を受ける資格があると思っています」とした。
「家族のことを考えると、これ以上進めるのは難しい」
実際に誹謗中傷が相次いだことについても「石平さんご本人は、覚悟の上での状況だった」とするも、過熱する誹謗中傷に家族が参ってしまったという。
「ご本人から、ご家族が精神的に非常に参っている、今はネット社会なので、ご家族もネット上の誹謗中傷を日々、目の当たりにする、自分は大丈夫だが、家族のことを考えると、これ以上進めるのは難しい、断腸の思いですが、出馬を断念しますと連絡がありました」。吉村知事は「ご家族を優先されて下さいと答えました」とした。
石平氏の今後については、「石平さんは言論人に戻ります。どうか石平さんのご家族の平穏な生活を期待します」。「石平さんは立派な日本人です」とした上で、「言論人として、対中国政策は、これからもどんどん発信して頂きたいと思います。日本は言論自由で、道徳心の強い素晴らしい国です。共に頑張っていきましょう」と期待を込めた。
石平さんの出馬辞退について、ご本人の名誉の為にも少しお話しします。…
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) March 9, 2025