蓮舫氏は国会に戻ってくるのか。2025年夏の参院選に、立憲民主党が同氏を比例区で擁立する方向だと、複数の大手メディアが報じている。
24年7月の東京都知事選に出馬したものの、結果は3位に敗れた。その後は表立った場に登場していなかった蓮舫氏。都知事選後には、国政復帰を否定していたようだが――。
「春だし、そろそろ考えないと」
立憲民主党の「党関係者」「党幹部」が明らかにしたとして、蓮舫氏の参院選擁立が一斉に報じられたのは、25年3月6日。翌7日には、野田佳彦代表が定例会見でこの点を問われると、野田氏は擁立の一般的なプロセスを話した上で、
「個別の候補予定者のプロセスに関わることをこれ以上お話しすることは控えたい」
と応じ、否定はしなかった。
蓮舫氏は、自身のSNSを頻繁に更新している。ほとんどは自身の日常に関する投稿だが、政治的な発言がゼロでは、もちろんない。Xでは3月7日、石破茂首相が高額療養費制度の負担上限額引き上げを見送ると表明した記事を引用し、「ようやく。国会熟議の成果です」とひと言。「政治とカネ」を巡る問題についても、しばしば発言している。
インスタグラムでは2月27日に自撮り写真を公開。「髪、切った。春だし、そろそろ考えないと」との言葉を添えた。これには「秋には国会に戻ってください」「参院選に、どうか出てください」といった「再始動」を期待するコメントが送られた。
「渡り鳥みたいでは」から「時間をかけて考える」に
蓮舫氏は都知事選敗北後、インスタライブで「今は国政選挙を考えていない」と述べた。都知事選で多くの人が投票してくれたことを重く受け止め、すぐにまた国政に戻るのは「渡り鳥みたいではないか」と、潔しとしない様子をにじませていた。
立憲が参院選に蓮舫氏を擁立か、と報道したメディアの中には、この発言に言及したところが複数みられた。
ただ、このインスタライブから2か月ほど後の24年9月18日、毎日新聞が配信した蓮舫氏のインタビュー記事のなかでは、「私が本当に社会に求められているのか。自分の中で、まだ整理しきれていないところがあります。今後のことは、もう少し時間をかけて考えるつもりです」と述べており、ややトーンが変わっていた。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は25年3月7日の記者会見で、立憲が蓮舫氏を夏の参院選に擁立する方針だと記者が伝えると「えっ、嘘。ホント?」と驚いた様子を見せた。そのうえで「国政は一回リセットって言ってなかった? まあ、帰ってくるのはウルトラマンと蓮舫さんだけだね」と冗談めかして皮肉った。