「ボルシチはロシア料理ではなく、ウクライナ料理なんだ」ウクライナ出身YouTuberの訴えが大反響

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   ウクライナ出身のYouTuber・クリス(Christina)さんが2025年3月3日、Xで「ウクライナの伝統料理」について発信し、注目を集めている。

  • ボルシチは「ウクライナ料理」だ(写真はイメージ)
    ボルシチは「ウクライナ料理」だ(写真はイメージ)
  • クリスさんのXの訴え。1万回以上リポストされている
    クリスさんのXの訴え。1万回以上リポストされている
  • ボルシチは「ウクライナ料理」だ(写真はイメージ)
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「日本人から見ると大したことじゃないかもしれないけど......」

   クリスさんは、ウクライナ出身で福岡市在住のYouTuberだ。YouTubeチャンネル「クリススタイルチャンネル」やブログを通じて、ウクライナ文化などの情報発信を行っている。

   クリスさんは3日、ウクライナの伝統料理に関する誤解に触れた。

「日本人から見ると大したことじゃないかもしれないけどウクライナ人はボルシチがウクライナの伝統料理だって証明するために、約700ページも証拠をまとめてユネスコに提出したんだ。その結果、ボルシチを含むウクライナ料理が無形文化遺産として緊急登録されたんだよ」

   赤いカブに似た根菜「ビーツ」を使った真っ赤なスープが特徴のボルシチは、「世界3大スープ」のひとつとしても知られる。日本では「ロシア料理」と紹介されることもあるが、実はウクライナの伝統料理なのだという。

   在ウクライナ日本国大使館の公式サイトでは、「多くの人にはロシア料理と知られている『ボルシチ(細かく刻んだ野菜を煮込んだスープ)』は,実はウクライナが本家本元」と説明している。

「ロシア料理とばかり 今日から認識を改めます」

   22年7月1日には、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が、ロシアによる軍事侵攻で消滅の危機に瀕しているとして、ボルシチをはじめとする複数の伝統料理を「緊急保護を必要とする無形文化遺産」に指定した。23年の登録を目指して申請されたものだが、軍事侵攻の影響を受け急きょ登録が前倒しされた。

   クリスさんによると、ボルシチの伝統がウクライナとロシアのどちらにあるかという論争の発端になったのは、19年5月にロシア連邦外務省の公式Xが投稿した「時代を超える伝統料理! ボルシチはロシアで最も有名で愛されている料理のひとつであり、伝統料理の象徴でもある」とのポストだったという。

   ボルシチを「ロシアの伝統料理だ」とする投稿に対し、ウクライナのユーザーが反論。同年、ユネスコへの正式な登録申請を行い、手続きを進めてきたという。

   クリスさんの投稿には、「ボルシチ、ウクライナ料理だったんだ ロシア料理とばかり 今日から認識を改めます」「ロシアだと思ってた。ウクライナ、申し訳ない。覚えた」と驚く声のほか、「むしろ日本が一番理解するのが食へのこだわり」「誰でも自分たちの伝統料理を横取りされたら嫌ですよね。分かります」など共感の声が多く寄せられた。

ウクライナ大使も言及「ボルシチはウクライナの国民食です」

   ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使も、たびたびSNSでボルシチの起源について発信している。

   ユネスコの無形文化遺産登録が叶った22年7月には、「ユネスコは時々、ロシア人に何が自然なのかを教える必要がある。ボルシチはウクライナの国民食です。これからは、メニューにボルシチが『ロシア料理』と書いてあったら、間違っていると教えてあげてください」と投稿。「クリミア、ドンバス、ケルソン、ボルシチはウクライナのものです。素朴でおいしく、素敵な料理です」としてウクライナの伝統料理について説明していた。

   24年5月には、「東京の三流ロシア料理店でウクライナのボルシチについて語ったことを説明する時が来た」として、「ボルシチがウクライナ料理であることは、2段階以上の教育を受けた人なら誰でも知っている」ともしている。

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