客の「メリット」「お得感」「贅沢」をどう体験できるかがカギ
――分析では、「プレミアムサービスの提供やデジタル技術の活用」に触れていますが、具体的にはどういうことでしょうか。
飯島大介さん いま述べたことと重なりますが、プレミアムサービスではラグジュアリーな設備や個別のカスタマイズ対応などがあげられます。上質なヘッドスパやトリートメントを取り入れる、専任スタッフによるマンツーマン対応などで非日常感を提供するものです。
一部ではサブスクリプションサービスの導入も広がっています。毎月の美容費が一定になり、好きなサロンに好きなタイミングで通うことができる客のメリットと、空き時間を有効に活用することで稼働率向上が見込める美容室側のメリットが重なり、相乗効果で売り上げ増が見込めるからです。
また、デジタル技術では予約システムの導入と、その分析があげられます。LINEアカウントを活用して予約客の属性を分析し、最適なタイミングで再来店を促したり、好みに合う髪形やメニューを提案したりすることで、メニュー単価の引き上げに成功した事例などがあります。
――今後、美容室が生き残るためには、どういう工夫が必要でしょうか。
飯島大介さん 美容室自体は、「髪を切る」行為そのものが同じなため差別化が難しく、顧客体験や費用感を含め、利用者にとって「メリット」「お得感」「贅沢」など求めるニーズにどう対応できるかがカギになるとみられます。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)