腕のいい美容師ほど、独立して自分の店を持ちたい人が多い
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんに話を聞いた。
――倒産急増の背景の1つに、人手不足などと並んで新規開店による競争の激化をあげています。そもそもなぜ新規参入が多いのでしょうか。一方で、スタイリストなどの「人手不足」という理由と矛盾しないでしょうか。
飯島大介さん 理美容師の多くは、固定給+カット人数・メニュー単価に応じた歩合給となっています。ただ、全体で見れば理美容師の平均年収は300~400万円台と言われ、見習いのスタイリストなどはより低い水準と考えられます。
そのため、スキルの高い美容師や固定客の多い美容師では、より良い待遇を得るために独立して自分の店を持ちたい意欲は高く、多くの美容室が誕生する背景の1つとなっています。
他方で、既存の店からすれば売り上げの見込める美容師が辞めてしまうほか、こうした腕のいい美容師ほど独立志向が高い状態のため採用も難しく、結果的に人手不足感を抱えてしまう要因となっています。