今年の家計「苦しくなりそう」4割、「ゆとりができそう」1割 専門家が語る「ゆとり派になる方法」(2)

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   今年(2025年)の家計はゆとりができるだろうか、それとも――。

   働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2025年2月7日に発表した「2025年の家計と収入意識調査」によると、「苦しくなりそう」と予測する人が4割以上に達し、「ゆとりができそう」という人は1割強だった。

   それでも今年は明るい兆しが見えるという。家計にゆとりが出せる方法を専門家に聞いた。

  • 家計は楽になるのか?(写真はイメージ)
    家計は楽になるのか?(写真はイメージ)
  • (図表1)2024年の家計の状況はどうだったか(しゅふJOB総研作成)
    (図表1)2024年の家計の状況はどうだったか(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)2025年の家計の予測(しゅふJOB総研作成)
    (図表2)2025年の家計の予測(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)家計の予測:直近3か年の比較(しゅふJOB総研作成)
    (図表3)家計の予測:直近3か年の比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表4)本業以外で家計の収入を増やすとしたら?(しゅふJOB総研作成)
    (図表4)本業以外で家計の収入を増やすとしたら?(しゅふJOB総研作成)
  • 家計は楽になるのか?(写真はイメージ)
  • (図表1)2024年の家計の状況はどうだったか(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)2025年の家計の予測(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)家計の予測:直近3か年の比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表4)本業以外で家計の収入を増やすとしたら?(しゅふJOB総研作成)

家庭は生活費の獲得と家オペが、両輪になって回っている

   <今年の家計「苦しくなりそう」4割、「ゆとりができそう」1割 専門家が語る「ゆとり派になる方法」(1)>の続きです。

――本業以外の収入増1位が「ポイ活」という結果が切ないですが、さまざまな形の副業が全部合わせると7割になる数字が前向きな印象を受けます。やはり、スポットワークが広がっていることもあるのでしょうか。

川上敬太郎さん 家計の状況により、必要な副収入の金額は大きく変わってきます。また、実現したい生活水準によって、家計のゆとり具合も変わります。もし、月に増やす必要がある額が数十万円以上ならば、パートで働いている妻がダブルワーク、トリプルワークする、あるいは正社員の仕事に転職するといった対応が必要になってきます。

しかし、配偶者の収入でおおむねの生活費は確保でき、増やしたい金額が月に数千円や数万円であれば、ポイ活や副業がほどよい取り組みとして選ばれそうです。調査結果を見る限り、後者のイメージに近い人が多いのかもしれません。

月に数千円や数万円の収入を増やすのであれば、スポットワークはとても使いやすいサービスです。スキマ時間が生じるたびにスマホ1つあれば利用できる手軽さは、とても相性がよいと思います。

――コメント欄には多くの意見が出ています。私は「家計の見直しを初めてやってみて驚いたのは、やめるなんて考えもしなかったけど、やめても意外と何とかなる」といった節約に関するものです。川上さんはどの意見が印象に残りましたか。

川上敬太郎さん 「妻が働きに出たから家計がどうにかなっていることに(夫は)気づいているのか」と、生活費の不足の心配をしない夫に不満を述べる声が印象的でした。

妻の収入額が夫に比べて少ない場合、ともすると夫から「俺と同じくらい稼いでみろ」などと上から目線で言われたりして、妻が得ている収入の価値が軽く見られがちです。

仮に日々の生活に年収500万円が必要な場合、夫の収入が400万円であれば100万円が不足です。その分を妻がパートで得ると、収入額の比率は夫と妻で4:1となります。一方で、夫がほとんど家事や育児などの家オペレーションを行っていなくても、収入が妻の4倍あるからと夫の立場が強く、妻のほうは立場が弱くなることが起こりえます。

しかし、家庭運営は生活費の獲得と家オペレーションとが両輪になって回っています。収入を得ることはとても大切ですが、家庭運営に必要な両輪のうちの片方でしかありません。それなのに、収入額の多寡だけで家庭内における立場の強弱が決まってしまうとしたら、おかしなことだと思います。

――家オペに対する夫の認識不足が、妻の家計への不満に拍車をかけているわけですね。

川上敬太郎さん 夫婦は家庭の共同経営者です。役割をどう分担するかについては決まった正解などなく、最適解はご家庭ごとに異なります。

夫婦は協力して家庭運営に取り組んでいるのであり、最適解に到達した結果が専業主婦家庭でも、専業主夫家庭でも、共働き家庭でも、収入額の多寡とは無関係に対等に協力し尊重し合うスタンスが大切だと感じます。

ゆとりを生み出す、さまざまな選択肢のリストをつくろう

――川上さんはズバリ、家計にゆとりができるようにするには何が大切と思いますか。

川上敬太郎さん 日々生活していくだけでも苦労するなか、家計にゆとりを生み出すのは難しいことだと思います。

何をすればよいのか決められた正解があるわけではなく、ゆとりがありそうに見える他のご家庭を見習って同じことをすれば自分の家庭にもゆとりが生まれる、というものでもありません。

そのうえで、敢えてゆとりを生み出すためにできる取り組みがあるとするならば、ご自身の家庭にとって何が最適な手法になりそうかを整理してみることではないでしょうか。

――まず、ゆとりを生み出す方法のリストをつくるのですか。

川上敬太郎さん 方法は、収入を増やすか、支出を減らすか、あるいはその両方に取り組むかの3択が基本になるかと思います。

また、収入の増やし方1つをとっても、転職したり、昇進・昇格を目指して賃金を上げたり、副業したりとさまざまな選択肢があります。そして、支出を減らす場合でも、節約したり、携帯電話のプランを切り替えたり、家で野菜などを栽培してみたりといろいろな選択肢があります。

これらの選択肢をできる限りたくさん、細かく洗い出し、自身やご家庭の状況に鑑みて組み合わせてみると、最適なパターンが見えやすくなるのではないかと思います。

家計のゆとりとは、心豊かに生活できかどうかということ

――家計のゆとりに悩む多くの人々へのエールとアドバイスをお願いします。

川上敬太郎さん 家計にゆとりが感じられるかどうかは、心豊かに生活できているかどうかとも言い換えることができるように思います。それは客観的な指標で測れるようなものではなく、多分に主観的な要素です。また、資産の状況や現在および未来において必要となる支出予定などによっても、ゆとりの感じ方は変わってくると思います。

家計のゆとりは必ずしも、収入の多さに比例するとは限りません。ご自身が何にゆとりを感じるのか、そのセンサーのありかを探り把握しておくことも、収入の増やし方を考えるのと同じように大切なことなのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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